- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
長編映画からの引退を宣言した、宮崎駿最後の作品『風立ちぬ』。初めて作られた大人向けアニメをめぐり、賛否両論巻き起こっている。アニメ会社ガイナックス創設者、オタク評論家で知られる岡田斗司夫は、本作品をどう読み解いたか――。その他ジブリ作品も交え、宮崎駿という人間、アニメ作家としての巧みな技術力、今後のジブリの展望に迫る。
目次
第1章 『風立ちぬ』を語る(ボロボロだった、最近の宮崎駿監督作品 いびつな天才の恋愛物語 ほか)
第2章 アニメ作家・宮崎駿のすごみ(宮崎駿監督は、単なる「老害」ではない! わずか半年、素人同然のスタッフで作られた『カリオストロの城』 ほか)
第3章 父と息子(『ゲド戦記』騒動 ジブリでは新人監督が育たない ほか)
第4章 ジブリはどこに向かうのか(なぜ宮崎駿は引退するのか? やりたいことをすべてやってしまった ほか)
第5章 『風立ちぬ』への疑問に答える(『風立ちぬ』は綺麗な恋愛の話ではない 美しいものにしか興味のない堀越二郎と宮崎駿 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
詩 音像(utaotozo)
32
「岡田斗司夫ゼミ」で再三語られる宮崎駿エピソードが面白すぎて、コンパクトに文章でまとめたものはないかと、辿り着いた一冊。『風立ちぬ』の解釈や分析は、全て賛同でなくても非常に興味深い。しかし最高に面白い(本当に笑ってしまう)のは『ゲド戦記』映画化交渉大詰めの巻。原作者ル=グウィンの前での、(自分では監督も製作もしないと力説しながらの)宮崎駿本人による滅茶苦茶なプレゼン風景!同席の製作者鈴木敏夫には悪夢のような展開で、気の毒ながら大爆笑。本当に鈴木が宮崎を殴って止めてたりしたら、いしいひさいちの漫画そのもの。2019/01/10
友和
30
岡田斗司夫が語る宮崎駿とスタジオジブリ論。「風立ちぬ」や「カリオストロの城」の詳しい解説や「ゲド戦記」の製作での宮崎親子の葛藤など、とても楽しく読めた。2014/12/06
ワダマコト
24
宮﨑駿監督がはじめてパンツを脱いだ作品と言われるのが、風立ちぬ。作者の頭のなかが爆裂している作品を読み解こうと思ったら、その人自身のことを想像しないと決して理解することはできないだろう。それはスタジオジブリ作品に留まらず、世に出ている難解だけど面白く感じてしまうという不思議なコンテンツには共通のことなのかもしれない。で、僕が最終的に思ったのは、プロデューサー鈴木敏夫さんの恐ろしさだ。すべてあの方が手のひらで踊らせてきたことの積み重ねがスタジオジブリだと思ったら、もはや畏怖の存在としか言いようがない。2015/01/06
マカロニ マカロン
20
個人の感想です:B+。『風立ちぬ』は零戦の開発者の話で、やたら煙草を吸いまくる映画という噂で敬遠していたのだが、二月ほど前テレビ放送していたので初めて見た。かなりな飛行機オタクな堀越二郎を見染めた菜穂子の心情にちょっとウルッとして、想像していたよりいい映画だと思った。この本で岡田さんはこの映画は宮崎駿監督の最高傑作と断言し、その評価ポイントを詳しく説明してくれる。録画してあったものがまだ消してなかったので、再度見たらなるほど細かいところまできちんと手を入れて作った大人のジブリ作品だと感心した2021/10/18
百太
18
へぇ~そうだったの?の部分が多くて面白かったです。二郎がオキヌを好きだっただろうは、なるほどでした。2022/02/08