講談社学術文庫<br> 役人の生理学

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講談社学術文庫
役人の生理学

  • ISBN:9784062922067

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内容説明

革命後、ジャーナリズムが勃興したフランスで一気にブレイクした「生理学」シリーズ。現代の「スーパー・エッセイ」のたぐいですが、バルザックの観察眼にはなかなか唸らせられます。冒頭の定義があります。「役人とは生きるために俸給を必要とし、自分の職場を離れる自由を持たず、書類作り以外なんの能力もない人間」現在と同じではありませんか! 付録に、一九世紀の役人文学3篇を追加。(講談社学術文庫)

目次

役人の生理学(定義 役人の有用性の証明 役人の哲学的・超越的歴史 区別 役所 ほか)
付録 役人文学アンソロジー(バルザック『役人』(概要と抜粋)
フロベール『博物学の一講義・書記属』
モーパッサン『役人』)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

87
バルザックがこのようなものを書いていたとは驚きです。役人というよりも一般的なビジネスマンにも通じるような感じで読んでいて笑いが自然にでてきてしまいます。バルザックは風流滑稽譚を書いていますが、これはサラリーマン滑稽譚だという気がしました。新入社員全員に読ませたらどうでしょうか?これとウェーバーの「官僚制」は必読書になりそうな感じです。2015/10/09

魚京童!

18
バルザックは面白い。実は悲惨な公務員(https://bookmeter.com/books/520077)とかはこれをまねようとして大失敗したのだと思う。哀れなものだ。力量を知らないというのは怖ろしいことだ。しょうがないよね。バルザックだもん。風刺がしっかり効いている。こういう本大事だよね。いまそういう気分じゃないのが残念なんだけど。2020/01/19

千住林太郎

7
生理学と題する本であるが、しごくユーモアと皮肉にあふれた役人生活の実態を描いた本である。役人という職業のあり方が今日ではサラリーマンに広く見られる働き方であることに著者の観察眼の鋭さを称えずにはいられない。同時収録されているモーパッサンの『役人』もまた、役人生活を経験したモーパッサンの嘆きが行間から表れている。 官僚制とサラリーマンを考えるうえで欠かせない本だろう。2023/03/16

まると

7
確か昨年の新聞の書評欄で見た本。ひたすら役人をこき下ろし続ける内容に、これは何なのかと思っていたら、こういう類いの「生理学もの」が当時は随分とはやったのだと解説で知り、何のために書かれたのかがようやく理解できた。「すべての人に仕えるということは誰にも仕えないというに等しい」。確かに官僚組織の本質を見抜いた言葉に違いないが、今の日本の官僚に当てはめるとなると、ここまで言ってしまってはちょっとかわいそう。2019/02/12

さきん

7
さすがバルザックの人間観察は深い。全員がそうだというわけではないことは頭に入れて読まなくてはいけない。役人になる以上、かような職業病はしょうがないところがある。2015/07/13

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