内容説明
幕末動乱の時代、倒幕、維新を実現する長州藩の若者たちの多くが学んだ松下村塾。明治維新の精神的理論の支柱と称され、至誠と行動を貫徹した吉田松陰の思想とはなにか? 本書は、『幽囚録』『対策一道』『愚論』『回顧録』『急務四条』をはじめとする松陰の代表的な著作の原文に、平易な現代語訳を添えて丁寧な解説を施す。時代を変革する先駆者の思想の全貌を、本人の著述にもとづいて描き出した、必読の一冊。(講談社学術文庫)
目次
解説 松陰の人と思想
留魂録
要駕策主意
幽囚録
対策一道・愚論・続愚論
回顧録
急務四条
書簡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
44
カントによれば尊敬の念は「物件に対してではなく人格に対して抱かれるものであり、他人の人格に自負が破壊される道徳法則を発見したときに起こるもの」定義されます。吉田松陰が批判者からはテロリストと呼ばれながらもいまだに一定の支持を集めているのも『丈夫見る所あり、意を決して是を為す。富嶽崩ると雖も、刀水竭くとも雖も、亦誰れか之れを移行 易せんや』(P250)という文章にも現れている彼の生き様が簡単には真似できるものではないことを誰もが思い知らされるからではないでしょうか???中でも、幽囚録と要駕策注意は面白い。2023/04/16
Yoshinori Osaka
5
先日、山口県萩市で松下村塾を見てきました。萩市では吉田松陰を「松陰先生」と呼んでます(^^)2015/06/13
あすたりすく @本の虫
1
以前から吉田松陰については勉強していましたが、彼が記した書物を読むのはこれが実質初めてです。松陰が当時何を考え、何を行ったのか、本人の言葉で知ることができました。松陰の政策に対する憤り、変革への志がまじまじと伝わってました。また、年月や様々な事件を経るに従い、彼の思想に変化が見られたことも興味深かったです。この当時、これだけの先見の明があったことには驚かされますね。2014/03/12
紫暗
1
タイトル通り、吉田松陰の著作が収録されています。「留魂録」はもちろんのこと、他にも、藩主に対する意見書なども収録されていて、吉田松陰が藩主に何を求めていたのかがよくわかります。最後に収録されている松陰の書簡では吉田松陰という人の人となりが見えるようでした。思想のみならず、松陰という人間を垣間見る一冊です。2013/12/28
雪野きずな
0
小説現代に連載されていた富樫倫太郎の風の如くとNHK大河ドラマの花燃ゆを見ているので読んだ。国を思う心に感服。2015/02/14