内容説明
男は昔の恋人に金を借りに来たと言う(「愛の力を敬え」)。夫は妻の体重日記に不審を抱き始める(「空も飛べるはず」)。女はバニラの匂いに恋人の浮気を疑う(「ピーチメルバ」)。男は顔も知らないダンスホールの女を探している(「ダンスホール」)。長年の片思いが相手に通じる(「真心」)。人生の滑稽と不安、そして希望。単行本未収録の作品を含む全五編で贈る贅沢な傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
75
冒頭の短編を読み始めて、あれこの話よんだことがあるとおもったら戸田恵梨香主演でドラマ化された長編「身の上話」やん。でも、もっていきかたが「身の上話」とは違って「身の上話」って小説を書こうとする小説家の話なのが面白いです。この作家さんならではの、お話の中に作者の二重写しのような小説家がでてくる短編が揃っておりいろいろ興味深い。外連味と陥穽にみちた作品集です。2018/12/16
ソラ
35
佐藤正午さんの文章は好きなんだけど、今回の作品は誰が誰のことを言ってるのか、何となくわかりにくかったなぁという印象。ただ、その中でも愛を敬え、と空も飛べるはず、は面白かった。2014/08/16
ミスターテリ―(飛雲)
34
久しぶりに佐藤正午の世界にどっぷりはまりたいため再読。この作品でも、作者本人とおぼしき主人公が、物書きの視点から日々の出来事を語るのであるが、その日常の切り取りかたが、どの短編を読んでもすばらしい。難解でいてやさしく、直接的であって回りくどい、そんないろんなセリフ回しを繰り返しながら、いつのまにかその術中にはまり、それがクセになる。今は、こんなふうに文体で読ませる作家は少ないので残念ではあるが・・そして、あの名作の「身の上話」のタネになったのかと思わせる作品もありニヤリとする。2025/01/22
ロマンチッカーnao
29
いやぁ。。佐藤正午さんの文体は癖になります。時間を置くと読みたくなる。短編と中編の作品集。すべて主人公が小説家で、どれもが、めんどくさい。そのめんどくささが心地よい。ダイエットをして、体重日記をつける妻を見て、なぜか、浮気を疑う夫。なぜか。めんどくさく、ネチネチと展開していきます。でも、確かにあるかもと思ってしまう。何気ない日常の中の一コマを取り上げて、一本の小説に仕上げる佐藤正午さんは相変わらずすごいなとうなってしまいました。2018/08/09
Moomin1994
26
適当かつ丁寧に書かれた感のある、最後の短編、真心が秀逸。佐藤正午作品、癖になります。2015/10/04
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