ハヤカワ文庫JA 富士学校まめたん研究分室

著者名：芝村裕吏【著】

早川書房（2014/02発売）

• ISBN：9784150311322

内容説明

カリスマゲーム作家の近未来SF　陸自の新型移動攻撃機開発を描く　陸上自衛隊富士学校を舞台に、理不尽な挫折を味わった女性技術者による多足歩行ロボット戦車の開発と実戦投入を描く近未来技術開発SF 　めんどくさいアラサー天才工学系女子の、ロボ戦車開発＆恋愛。さらには極東危機！ 陸上自衛隊富士学校勤務の藤崎綾乃は、優秀な技官だが極端な対人恐怖症。おかげでセクハラ騒動の責任を押しつけられ、閑職で失意の日々を送っていた。こうなったら質の高い研究で己の必要性を認めさせてから辞めてやる、とロボット戦車の研究に没頭する綾乃。謎の同僚、伊藤信士のおせっかいで承認された研究は、極東危機迫るなか本格的な開発企画に昇格し……国防と研究と恋愛の狭間で揺れるアラサー工学系女子奮闘記！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[おかむー]

全編にわたって主人公である綾乃視点で淡々と物語が展開していくが、信士とのプライベートな絡みでは淡々ななかにもじたばたな乙女感がにじみでているところが実にニマニマさせられた。『よくできました』。終盤怒涛の展開で(あくまでも綾乃視点なので危機感薄くみえるけどｗ)まめたんが実戦に投入され、兵器としての地位を確立していくさまは仮想の物語とはいえほのかに寒くなるところもあった。しかし淡々としたノリに、週間４コマ雑誌のたぐいの絵がうかんだのは読書暦のなかでも初めてだったなぁ(￣▽￣)

2014/01/30

[Susumu Miki(Dik-dik)]

面白かったですよ。表紙も良い感じ。工学と軍事と国際情勢と恋愛のバランスがとても良い感じ。ちなみに4つの並び順は作中描写にリアリティのある順です(笑)。時代設定が2020年なので「今だけ」感が漂いまくりではありますが。

2014/09/25

[ちびめろ]

面白かったのですが、とにかく読了するのに時間がかかりました。読みにくい文体という訳でもないのですが…マメタンのリアリティーよりも30歳にもなって対偉人恐怖症ってどうなの？とは思うのですが、そこは人それぞれなので、あながちあり得ない話でもないのかな？少なくとも私には解りません。初読みの作家さんなのですが、他の作品も読んでみたいと思いました。また、アニメ化しても十分楽しめる作品だと思いました。

2016/04/23

[ソラ]

主人公の性格が面倒臭すぎてちょっと作品に入りにくかった。まめたんは良かった。

2013/12/31

[キキハル]

自衛隊技官である藤崎と、超口下手な彼女の代弁者を兼ねる二尉の伸士。彼らのぎこちなくじれったい恋と、脱力するような会話が楽しい。特に伸士の初心な対応がいちいち可愛くて頬が緩む。だが、米・中・朝鮮半島の不穏な情勢に備えるため、工学研究者である藤崎はネットワーク型小型自律兵器であるロボット戦車を造り出すが・・。まめたんの活躍をもっと見たかったが、もしもこれが現実に起こったらと思うと昨今の状況も緊迫しているだけにとても怖い。人であれロボットであれ相手に凶器を向けるのは本の中だけであって欲しい。面白かったけれどね。

2013/11/25