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内容説明
ムバーラクの三〇年にわたる独裁は、二〇一一年、民衆による「一月二五日革命」で幕を閉じた。しかし、その後の民主化プロセスの中で、軍とムスリム同胞団が熾烈な権力闘争を展開し、革命の立役者である若者たちは疎外されていく――。エジプトの民主主義は、どこで道を誤ったのか。アラブの盟主エジプトが迷走した、二年半におよぶ歴史上の劃期を、軍・宗教勢力・革命を起こした青年たちの三者の視点から追う。
目次
第1章 革命のうねり
第2章 将校たちの共和国
第3章 自由の謳歌
第4章 ポスト・ムバーラク体制の土台作り
第5章 未来を模索する青年勢力
第6章 軍とムスリム同胞団
第7章 ムスリム同胞団の夢と現実
第8章 民主化の挫折
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あなほりふくろう
24
エジプト、2011年1月25日革命から2013年軍事クーデタでムルシー失脚まで。背景はそれぞれ違えども、起こる事柄はこれまで様々あった民主化革命と同じ経緯をたどったあたりに苦々しい笑いがこぼれ出る。人民統制があって人民不在の政争があって、一度立ち上がった政権は結局武力によって舞台から引き摺り下ろされるところまで大体一緒だったという。経過など簡潔に書かれていて解りやすく、非常に考察の役に立った。良書。2014/03/20
浅香山三郎
4
チュニジアから始まつたジャスミン革命は、ムバラク政権を打倒したエジプト革命に繋がつた。しかし、ムスリム同胞団の支へるムルシ大統領は一年余りで失脚してしまつた。 一見、開発独裁国家の民主化と、それを潰す軍との闘争に見える事態の推移に分け入つて、共和国の歴史を深掘りしていく。 エジプトの軍の性格、エジプト人と「街頭デモ」の持つ意味の特別さ、或いは法曹界の人々の独特の自負と軍との関係など、エジプト革命の背景を辿ると、軍に対する信頼と反感が相俟つた、エジプト人民の心性が垣間見へる。2016/01/22
かみかみ
4
評価:★★★☆ エジプトにおける、ムバーラク政権崩壊に至るまでの道筋、その後の展開、青年勢力、軍、ムスリム同胞団といった革命の担い手の事情まで丹念に解説。ニュースをじっくり追っていかないと、理解が難しい内容だった。ムバーラク失脚後、ムルシーを選挙を通じて大統領として選んだ青年勢力が、軍部の力を借りて彼を追放したことを指して「リベラルでない民主主義者の同胞団が、民主主義的でないリベラル勢力によって失脚させられた」という記述が衝撃的である。2014/02/26
鉄路のほとり
3
2011年1月25日革命から2013年7月のムルシー大統領退陣までを追い続けたリポート。サブタイトルにあるようにこの国は軍部、ムスリム同胞団、司法関係者など複数の集団によるパワーポリティクスで動いてる。官僚型人材を輩出し経済活動も支配する軍部の力は大きく、それに中間層が事実上の支持を与えている。ムスリム同胞団はポピュリズム的政策を打ち出して支持を集めるが、やがて中間層に嫌われ軍部の介入に敗れる、という構図。裁判所も要所要所で行政判断を無効化することで介入する(司法の安定性は欠いているがプレゼンスは大きい)2013/12/29
牛タン
2
内容:ムバーラク政権の崩壊から、ムルシーの権力掌握、そして軍によるクーデターまで。感想:一連の動乱がエジプト軍、ムスリム同胞団、青年勢力、サラフィ主義者などの政治アクター同士の争いとして書かれており、とても分かりやすくまとまっていた。歴史的な背景が一つの独立した章としてまとめて書かれていればよりわかりやすいと思った。ムバーラク政権までのエジプトの近現代史くらいは基礎知識として持っていた方が読みやすいかもしれない2015/10/01
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