内容説明
キリスト教を「信仰しない日本人」は、どのようにキリスト教という宗教をとらえてきたのか。江戸・明治の事例を紹介しながら、信仰心の側面だけではなく、知的好奇心からキリスト教と日本の関係を考える。
目次
第1章 幻想のネストリアン(アダムと空海 世界のなかの高野山 ほか)
第2章 異端の魔術(天草騒動と由比正雪 謀叛人あるいは、売国奴 ほか)
第3章 仏教と神道と(江戸のアレクサンダー・ロマン 仏教異端説 ほか)
第4章 ユーラシアのなかで(日本人とユダヤ人 フランス・ルネッサンスの大奇人 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
358
いつものことながら、この人の博覧強記ぶりには驚く。もっとも、牽強付会といった傾向も無きにしも非ずだが。「まえがき」によれば、「(日本における)キリスト教受容史のあり方を、おいかけ」、そのことによって日本社会を逆照射する(著者の言葉ではないが)というのが本書の目的ということになるのだろう。ただ、そうは言うものの網羅的に風呂敷を広げたかの感があり、多分に雑学的な印象も免れない。『京都ぎらい』を読んでからというもの、どうもこの人の語ることに妙なバイアスがかかってしまったようだ。以前はもっと素直に感嘆していた。2019/06/25
優希
71
日本人とキリスト教がどのような関わりがあったかというより、歴史的な見解に基づくキリスト教受容とその諸説をたどるという感じの本でした。イエスの墓は青森にあるとか、仏教キリスト教起源説など、奇想天外な珍説が繰り広げられています。日本人のキリシタン観が見られると言ってもいいのかもしれません。近代のキリスト教解釈とその謎が伺えるのは興味深いところですが、本来のキリスト教と日本との関わりとは異なることが語られているということを念頭に置いて読むべきです。2017/07/11
HANA
40
日本人がキリスト教に対して如何なる思いを持ってきたかを説いた本。といっても教義的なものではなく、中心となっているのはあくまでイメージ。しょっぱなからキリストの墓が出てきて、思わずニヤリとしてしまいましたよ。その他にも空海と景教だとか、吉利支丹伴天連の変遷だとか、仏教キリスト教同根説、日ユ同祖論だとか興味深くない箇所は一箇所たりとも無かった。これを読むと日本人がキリスト教を論じるのは西洋との関わり合いにおいてなんだよなあ。根本をこちらに置くかあちらに置くかの違いで。仏教みたいに血肉化してないからかしら。2014/01/09
中年サラリーマン
17
キリストの墓が青森にある、という記述。そしてダビデを祭ってる?という伝説の大酒神社、太秦の秦氏がキリスト教徒?という伝説。一見トンデモだが著者はこれらの伝説が明治初期に語られていることが多いというところに注目。当時日本は欧米と対等にやりあおうとするが、その欧米はキリスト教国家、キリストの教えが伝来していない地域を野蛮と見た。対等になりたかったのかもしれない。日本で仏教とキリスト教の類似点が議論される。それは仏教が西に伝来してキリスト教になったのではまで。そこから上記のような伝説が生まれたのではないか!2014/04/14
陽介@中四国読メの会参加中
6
一部知識人・学者層のキリスト教観や歴史的な学説・主張が色々書かれてます。禁教時代の大衆のキリスト教観知りたかったんでそこはちょっと肩透かしでしたが、面白く読めました。由井正雪と森宗意軒との結び付きで「おお『魔界転生』♪」と思ったら、当時に既にそういう種本があったと知ってビックリ。仏教のキリスト教起源説とかその逆とかを主張した人々の、そこに至る時代背景や情勢などが丁寧に書かれてて結構納得出来ました。著者の方の、そういう学説捻り出した人への暖かい目線が良かったです。2013/11/27
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