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内容説明
USJ大学生&飲食店バイトのツイッター問題、歩きスマホ&自転車スマホ、電車の列の横入り――とかく今の日本は迷惑行為だらけ。しかし、何が迷惑なのか、何が正しいのかなどというのは、実は微妙なバランスで成り立っており、ちょっと視点をずらせば、良いとか正しいという基準は、かんたんに変わってしまうのである。「迷惑学」の観点から、迷惑行為とされるものの数々を徹底的に考えてみた。
目次
プロローグ そもそも迷惑行為とは?
第1章 なぜ、夜の幹線道路は誰も制限速度を守らないのか?―「記述的規範」と「習慣」の影響力
第2章 電車内では携帯電話の電源を切るべきか?―迷惑行為と、場所・時代との関係
第3章 なぜツイッター騒動は繰り返されるのか?―ルールと迷惑の微妙な関係
第4章 どうすれば列の横入りをやめさせられるのか?―迷惑行為の抑止策
第5章 ベビーカー問題はどうしたら解決できるのか?―クリティカル・シンキングで考える「落としどころ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
43
迷惑行為とは、本来取るべき過程を省略することによって発生することが多い。迷惑行為に直面した際、指摘する前に、止むを得ず省略したのか、それとも単にめんどくさがって発生したのかを見極め、慮る必要がある。まとめるとこんな感じだろうか、、とても興味深かった。2019/04/18
壱萬参仟縁
39
迷惑の研究は前例が少ない(26頁)。1日の行動の7割を習慣で処理。速度規定における、命令的規範と記述的規範(32頁)。トラックの速度超過は後者に該当する。真面目な前者は下手すると交通事故に巻き込まれる。これこそ実害。処理の自動化(35頁)。だからこそ、こんなことやらなくてもいいよ(36頁)という、杜撰さの習慣化にもなりやすい。クリティカル・シンキングの原則:人生の複雑な問題には、明確な正解など存在しない。必ず理解しておかねばならない、重要な前提。2015/12/12
レモン
33
なかなか面白かった。迷惑行為はどんなに対策を講じたとしてもなくなることはないが、お礼型メッセージと恥のアピールによって少なくすることはできる。マイノリティ集団の価値観が世間の常識と同じであるという勘違いから、バカッターのような迷惑行為が行われ、その他の路上駐車や電車内での化粧などの行為の理由は「面倒臭い」からとのこと。自分だけ損をしたくないとかルールを遵守してバカを見たくないといった理由もありそう。迷惑行為=けしからん→厳罰化or法規制はあまりに短絡的なので、行為が起こりにくいシステム整備が重要か。2024/04/25
けんとまん1007
26
なかなか面白い視点だと思う。まだまだ発展途上の分野でもあるようなので、これからの発展性に期待をしたい。それでも、ナルホドと思う点が多々ある。自分も迷惑をかけているほうだとは思っているが、周囲を見渡すと、遥か上をいく人たちも、かなり多いように思っているし、理解できる点が見出せない人もいるのは現実。罰金ではなく、報奨金でというのも、なかなかの視点。何か指摘されると、それに対する反応のしかたで、だいたいその人の人間性や知恵・知識のレベルもわかるように思う。2015/07/06
ひみーり
14
私はバイトテロ通称バカッターがなぜ起こるのか、ただそれだけを知りたかったのだが、バカッターが目立つようになってからすぐに本書が刊行されたせいもあって3ページほどしか記述されていなかった、それ以外は興味ないので流し読み、本は最初から最後まで読む必要はない。発売当時に買った本ですが11年も積読してあったのか興味は移り変わる2024/07/18