内容説明
文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
242
アカデミア理科系研究室のダークサイド部分(=内在性理論)がリアルで当時直接および間接的に経験したことを思い出してしまいました。でもこれってワールドワイドなんですよねぇ。これはある意味社会の縮図なんだろうな、と思いました。2021/07/05
レモングラス
124
森博嗣さんの自伝的小説と知り読みました。森博嗣さんのエッセイのファンでしたが、この小説は期待を遥かに越えていきました。共感し、感銘を受け、ドキッとし、大きな感動に包まれつつ、好きなページをメモしていたら好きなページだらけで困るほどでした。図書館の本でしたが、前に借りた人がページを折っていて、それがあまりに沢山で、私のメモと重なる部分多くて笑いました。今後どんな本を読んだとしても読書生活生涯ベスト10には必ず入ります。喜嶋先生のような存在の先生が私にもいて、こんなに嬉しい時間がある幸せを思い出し感謝でした。2023/01/26
ふう
94
大学で出会った喜嶋先生。「研究の王道」を進み続けるその先生に惹かれた主人公が、研究のすばらしさと先生の魅力について語ります。科学とはかなり遠いところにいるわたしでも、あゝそうだよなと共感し、登場人物それぞれに好感が持てて心地よい作品でした。名誉や評価のためではなく、ただ研究することがおもしろくて没頭する。研究以外のことで時間や労力を消費したくない…。そんなふうに生きる先生に愛情を感じた人がもう一人。でも、最後にその人が幸せになれなかったことが何だか引っかかっています。凡人の尺度ですね。2021/04/08
matsu04
90
「教室で講義を聞き、試験で無難な解答を書いて単位が取れればOKというのは本当の大学ではない」…うーむ、確かに。論文とはどういうものなのか、そもそも研究とはどうあらねばならないのか…、ふむふむ、なるほど。やっぱり理系の人はすごい。2016/03/14
やなぎ
89
自伝的小説と書いてある。事実なのか、フィクションなのか…。S&Mシリーズを読み終えた者としては、喜嶋先生から犀川先生を連想する。コンピューターがまだ一般に普及していなかった頃の大学の研究の話。なんちゃって理系の僕にとっては、とても興味深かった。S&Mシリーズを読んでからこの作品を読む方が良いと思う。単行本の刊行が2010年と書いてあるから、割と新しい本なんだね。ラストはちょっと感動した。解説はイマイチだった。85点。コメント欄に、気に入ったフレーズを抜き出しておく。2016/06/30
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