講談社文庫<br> 夜宵

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講談社文庫
夜宵

  • 著者名:柴村仁【著】
  • 価格 ¥726(本体¥660)
  • 講談社(2013/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062775434

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内容説明

大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹(ささがに)の市」。そこで手に入らないものはないという。 ある者は薬を。ある者は行方不明の少女を。ある者はこの世ならぬ色を求めて、細蟹の市へと迷い込む。 異形の者たちが跋扈(ばっこ)する市で、市守りのサザが助けたのは記憶を喪った身元不明の少年・カンナだった。呪われた双子の少女は唄う。「ああ、不吉だ、不吉だ」「おまえがもたらす流れ、その循環は、混沌を呼ぶわ」……

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

203
異形の者達が集う大晦日までの僅かな期間だけ行われる「細蟹の市」。そこに迷い込んだ記憶のない少年の物語。柴村仁さんの作品を読むのは5作目。幻想的で妖しげな市に足を踏み入れてしまった人達の連作短編集。今回初めて由良シリーズではないものを読みましたが全く異なる世界観。妖しく恐ろしいところもありますが、この雰囲気に惹き込まれてしまいます。サザの章では泣いてしまいました(இдஇ; )ファンタジックホラーとのことですが後半、柴村さんらしさをすごく感じビックリ!!とても切なく苦しいですが心に残る素敵な作品*お気に入り♡2016/03/04

しんたろー

157
柴村さん初読み。恒川さんの名作『夜市』と似ていると評されていたので、興味津々で読んでみた…人間ドラマが核になっていて、深夜アニメかマニアックな映画のような展開が案外と読み易い印象で「似て非なるもの」だった。ダークファンタジーとして惹き込まれる世界観なのが、並び評される理由だろう。サザ&カンナとカンナ&まこと、それぞれの関係が絡み合う物語が本作の肝であり、大きな魅力だった。連作短編形式なので飽きることなくスイスイ読めて、最初の話『チョコレートスープ』は一番怖くて物悲しかった。続編が2作あるので楽しみたい♪♪2018/04/09

モルク

100
読友さんのレビューを読み、手に取った一冊。恒川さんの「夜市」と同じような世界観。秋祭りの終わりから大晦日まで毎夜たち、手にはいらぬものはない「細蟹の市」その異世界に迷いこんだ記憶喪失の少年カンナは、市を守る赤腹衆のサザに助けられる。サザがとにかく素敵!カンナはサザを後継し赤腹衆になりたいがそれは出来ないと言われる。なぜか。その事実を知ると…やられた!ぐいぐい引き込まれる上質のダークホラーファンタジーだった。堀川さんの後書きもとても良かった。2018/01/25

Bugsy Malone

89
湖の小島に立つ、何でも売っているという〈細蟹の市〉。そこで目を覚ました記憶喪失の少年カンナ。異世界の恐ろしさと妖しさの中、それぞれが何かに囚われその想いが交錯する、切なく優しい物語。読了間近、作者の仕掛けに驚かされ、その切なさが一層身に迫ってきた。ファンタジックホラーと銘打った通り、不思議な満足感を得られた小説でした。大変面白かったです。2017/07/30

しずく

87
柴村さんの本は雰囲気が好み。今回も細蟹の市のブラックな空気に酔ってしまった。サザが好きだ。不器用な優しさというか、沁み入る優しさが心に来る。「欲しいものが何でも手に入る市」。心が真っ直ぐでいられない時、惑わされそうに弱い時にそんな言葉を聞いたらふらふらと立ち入ってしまいそうだ。まやかしのような世界でガラクタに手を伸ばしたくなる、そんなどうしようもなく弱い部分はきっと誰もが持っていると思う。「おや。自分の髪の色も忘れたのか。ふふ。困ったな」/”どこか清潔感がありそれでいてあたたかいサザの着物のにおいだった”2015/01/24

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