内容説明
マンボウ「うまく死ななきゃ」。
妻「死ななくてもいいけれど」。
娘「どうせあとはオマケの人生よ」。
目次
第1章 マンボウ老衰記(老人の子供がえり 老いぼれたチャコ ほか)
第2章 マンボウ恐妻録(妻より強かった頃 妻の骨折から ほか)
第3章 マンボウ人生論(ずる休み 鈍物に魅力あり ほか)
第4章 マンボウ躁鬱記(私は躁病である 私は鬱病である ほか)
第5章 マンボウ回想録(大凧 小学校の先生 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
100
北さんが11年10月に亡くなられてから2年が経つ。私にとって高校時代が北ブームだったが、この2年間はブームが再来している。このエッセイ集の出展一覧を見てみると、半分は既読のエッセイだった。しかし、第二章マンボウ恐妻録では、電車の中で思わず吹き出してしまい、私はつくづく北さんのユーモワのある文章が好きだということを改めて感じ、第三章マンボウ人生論では、北さんの多くの作品を読んで、北さんの戦中から戦後の生活を通じて、本当の戦争の恐ろしさを知ることができたと、これも改めて感じた。北杜夫という作家が好きでした。2013/12/07
これでいいのだ@ヘタレ女王
21
すでに故人となられた作家なので、今までの作品の寄せ集めと言えばそうなる。何冊も読んでいる人には目新しさは無いだろうが、どんな人だったのか彼の人となりを知りたい人には良いのでは無いだろうか2014/06/09
xtc1961ymo
9
北さんが亡くなったあとにでた、エッセイ集。テーマ別になっているが、書かれた時期はまちまちで古いものは60年代に書かれ、三島由紀夫の名前も出てきます。マンボウVS孤狸庵のシリーズは私も夢中で読みました。ユーモアに溢れてそこはかとなく上品でそれでいて、どこまでが本当か解らなく、人を煙に巻くような洒脱な文章は当時本当に新しかったです。躁鬱病をカミングアウトされて、まあ、精神科の医師でも有りましたから、大分救われた人もいた事と思います。ご冥福を祈ります。これからも「楡家の人々」を読み返す事でしょう。2015/02/20
バッカス
8
北杜夫エッセー集。「ぼくのおじさん」を彷彿とさせる場面や、家族のこと、戦後たくましく生活する様子を、ユーモアを混ぜて表現されている。随筆って昔からこの文体かも。さくらももこ、三浦しをんや、浅井リョウはちゃんと踏襲して、当人の日常をユーモアたっぷりに表現してるもの。2020/02/13
みるくるみ
7
タイトルに惹かれて。私も人生のうちの何度目かのずる休み中な気がして(笑)どうやらこれまでの色んな作品からピックアップした一冊のようだ。躁鬱病持ちの北杜夫氏。奥さんや娘さんもさぞ苦労されただろうに、この本の中では上手く転がしてて愉快だった。特に「マンボウ恐妻録」の奥さんとの攻防戦?心理戦?が面白い。北杜夫専属の看護婦長となった奥さんは最強だ。それでも懲りずにこそこそと酒や煙草を持ち込んだり、飲んだりする北杜夫氏。奥さんの酒の隠し技と帰宅後すぐのボディチェックはもう天晴れとしか言いようがない(笑)2020/10/27