内容説明
ガンが転移し余命2年を宣告されながらも、煙草を吸い、ジャガーを購入し、ジュリーにときめく。そんな日常生活や、一風変わった友人たち、幼い頃の思い出などが、著者ならではの視点で語られる(表題エッセー「死ぬ気まんまん」)。併せて主治医との対談や、関川夏央氏による「『旅先』の人」などを収録。著者の思いがいっぱいに詰まった魅力的なエッセー集。
目次
エッセー―死ぬ気まんまん
対談―佐野洋子×平井達夫(築地神経科クリニック理事長)
エッセー―知らなかった
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
59
読み終えて、やはりわたしは悲しかった…。死ぬ気まんまんでも、老いてだらだらと生きるのがみっともなくても、佐野さんにも若くして亡くなったわたしの周りの人たちにももっと生きていてほしかったと、寂しくなりました。死を受け入れる覚悟は必要かもしれません。わたしの父も癌でしたが、延命を望まず自宅で静かに眠りにつきました。覚悟をしていたその姿と佐野さんが重なりましたが、本当は二人とももっと生きたかったはず。死ぬ気まんまんは、生きる気まんまんなのだと思います。ゴッホの色彩の話と、関川夏央さんの送る言葉に心がふるえました2014/02/06
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
54
ガンで余命2年と宣告された佐野洋子さんの死ぬ気まんまんなエッセイ集。満州からの引き上げ、兄弟の死、父の死、家で家族が死ぬのを何人も見た。死が身近であった時代に育ったせいか洋子さんは死ぬことは怖くないと言う。ほかの人が言ったら強がっているような気がしたかもしれないけれど、佐野洋子が言うとそうかもしれないと思う。対談の後に収められているホスピスの話が良かった。2016/10/09
nyaoko
52
絵本作家・佐野洋子のエッセイ。このタイトルに一瞬で目を奪われ借りてみた。なんと男らしいカッコイイ人だったんでしょう。余命僅かと知って高級車を買うとか豪快!時代劇の英雄の如く、バッサバッサと切っていくような爽快な文章。よくぞここまで言った!と言う結婚や、出産、延命治療についての考え。今の時代には反発される考えではあるけど、ここまで濁さずにキッパリ言いきれるのはやはり、それまで生きてきた月日の重さからきていると思う。しかし、72歳は若い。まだまだいくらでも多くの作品を残す事が出来た人だと思う。2015/09/03
yumiha
46
あっぱれです、余命2年と宣告されても抗ガン剤を拒否して「死ぬ気まんまん」と言える佐野洋子。それからの日々も、なんか楽しそうだし、毒舌(?)も衰えない。私だったらオロオロしたり、気落ちしたりしてしまいそう。なるほど。こんな死に方もあるのか、と教えられた気分。2021/04/21
tu-bo@散歩カメラ修行中
39
エッセイは、人で読む。小説は、作品で読む。星4.5。佐野洋子さんのエッセイでは、神も仏もありませんと並ぶ代表作。この二作は、是非読んでいただきたい。<(_ _)>2014/01/19