内容説明
目黒本町のマンションで殺害された小西のぞみの身辺を調べていくと、武蔵学院大学アメフト部「ボアーズ」との関連が浮上、更にはボアーズの仲間内でこの5年に複数の変死者が出ていると判明した。これらは繋がっているのか。松谷警部は白石巡査らと捜査に当たるが、のぞみの事件についてボアーズ関係者のアリバイはほぼ成立し、動機らしきものも見当たらない。過去の事件は不可解な点を残しながらも既決事項となっている。白石巡査は「動機は後回し」と地道に捜査を進め、ついに犯人がわかったと宣言。松谷の自宅で清酒「浦霞」を傾けながら、白石の謎解きが始まる。果たして真相は?犯人当ての妙味に富んだ本格ミステリ。解説=村上貴史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
75
【松谷警部シリーズ】第1弾。マッタリとあだ名される松谷警部と、新人女性刑事白石以愛のコンビ警察ミステリ。マンションで殺害された女性を調べていくと、大学時代のアメフト部の仲間が、5年間に3人も死亡している事が解る。過去の事件を地道に調べ直し、考えうる可能性を推理しながら、伏線を回収し犯人へとたどり着く王道のフーダニット。淡々と警察らしい捜査も続くのだが、ラストの謎解きで味わえる醍醐味は正に本格。2人の個性がもう少しハッキリしてくれば、さらに魅力あるシリーズになると思うし、この関係に何か在りそうな所も期待大。2021/12/14
森オサム
44
著者初読み。松谷警部シリーズ1作目。ロジカルに推理して行けば犯人にたどり着ける?、本格ミステリー。殺人事件では有るが展開は全く地味。犯人候補は多いがキャラの書き分けが微妙で、誰が誰だか良く分からない。別に誰が犯人でも構わない。探偵役のコンビも魅力的とは言い難く、ユーモアミステリーと言うほどは笑えない。何か褒めるとしたら、作者はとても真面目に誠実に書いている所でしょう。フェアに謎解きが楽しめる様に腐心しているのが伝わる。そんな作品、嫌いな訳では無い、シリーズの次も読みます、いつか。2023/05/27
papako
36
このミス2014でどなたかが1位にあげられていて気になりました。初読みの作家さん。東大の教授なんですね。独特の文章で、少し年齢高めな印象でした。警部と女の若い巡査。あるグループ内で連続する変死事件。最後の殺しを捜査するうちに過去の事件も洗いなおし、一つずつ可能性を消して、最後に犯人にたどり着く。事件自体はなんだかなぁという勝手なものですが、緻密に囲い込んでいく手法は見事。熱くはないけれど、じっくり読ませてくれました。2014/04/02
geshi
35
章終わりに俳句を読むような、まったりした空気感だけど、起こっている事件はかなり大事で、ギャップに戸惑った。現在から過去へと掘り下げていく捜査展開は興味を持続させるけど、外連味が無く地味をあえて行っている。これだけの事件の中心にいる人物にそこまでの魅力を感じられなかった。アリバイトリックは単純で割れてしまうが、事後工作のロジックや犯人の犯した錯誤など、ミステリーとして押さえるべき所をちゃんと押さえてくれている。白石巡査のキャラがもっと立っていればとは思うけど、こういう控えめさもわざとだよね。2017/02/02
aquamarine
35
読み始めて文章やミステリの作りがすごく綺麗だと思いました。主人公の松谷警部が、まったり警部と呼ばれるほどなのと、相棒になった白石巡査も常識的なので殺人を扱っているのに殺伐とした感じはなく、すーっと物語が進んでいく感じです。もうちょっとメリハリがあった方が好きですが(実は途中で何度も眠くなって読むのに時間がかかってしまった)最初から見えているところに伏線があったのことに気づかされたり、読み終わってみると綿密に計算されているミステリだと感じました。今作が著者の初読みだったので別作品を読んでみたいです。2014/07/26
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