内容説明
原発広告250点、一挙収録! いかに「安全幻想」は植え付けられたのか? 1970年代から3.11直前まで、莫大な広告費をつぎこんでつくられてきた「原発広告」。戦後もっとも成功したプロパガンダともいえる、原発広告の是非を、いまこそ世に問う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
23
原発広告の転換点はおおまかに2つある。1つ目の岐路がオイルショック。原油の高騰を受けてエネルギーの多様化が必要だという大義名分を得るとともに、不景気によって減少した広告収入を電力会社が埋め合わせてメディアへの影響力を強化した。2つ目の岐路がチェルノブイリ&京都議定書。原発への不信感が募る中で、電力会社並びに業界団体は広告費を5年間で倍増させてメディアガバナンスを盤石にした。また同時並行でCO2による温暖化問題が問題視され、これを最大限に利用して原発の必要性をアピール。この2つの岐路を経て原発神話は完成した2018/09/16
魚京童!
13
国民が愚かだから戦争をし、国民が愚かだから原発が爆発したそうです。2015/02/21
よこしま
12
著者の本間氏は元・博報堂の電力会社担当だったので全てを把握されてます2014/03/25
フリスビー
12
大量の広告でメディアをコントロールし、原発批判を抑え込んできた歴史を「論より証拠」で検証しています。広告代理店からの圧力や、記者への接待漬けなど生々しい証言も。競争相手のいない電力会社が広告宣伝を行なうことはメディアへの支配力を高め、電気料金の値上げに繋がるだけなので、禁止すべきだという内容には納得。煙草と一緒ですね。原子力広告40年史としての資料的価値も高い1冊です。2013/10/18
wiki
10
原発広告にかけられた費用は莫大。ではその費用はどのような形で広告として展開されたか。それが本書の筋である。原発の危険性を訴え続けている小出氏がかつてそうであったように、原発の次世代的な部分に憧れをもっていた人は多いだろう。無知のまま、こうした広告を鵜呑みに信じて、皆、去勢されてきたのだ。小出氏のように研究者になれば危険性を認識し、効能と天秤にかけることもできようが、一般の人はそうはいかない。そして、その結果は余りにも悲惨な形で現れた。著者の忸怩たる思いが本書執筆の原動力であったという点で、読むべきと思う。2018/02/14




