内容説明
著者は陸上自衛隊で、メンタルヘルスに16年間関わってきました。
戦場における兵士のストレスについて学び、研究をし、現場では日常的なストレスで心身のバランスを崩した隊員へのカウンセリング、訓練事故や同僚の自殺というショックに直面した隊員のケア、東日本大震災におけるメンタルケアなどを行ってきました。
著者が自衛隊で学び、隊員たちに伝えてきたストレスコントロール、つまり「生々しい感情との向き合い方」はすべての現代人に共通して役立てられるものです。
そのノウハウを余すところなく紹介したのが本書『自分のこころのトリセツ』です。
目次
第1章 「原始人」に照らし合わせればすべての悩みのナゾが解ける
第2章 「サイアク」と思ったとき役立つ「こころのトリセツ」(「原始人モード」に照らし合わせよう とらわれやすい「四つの中間目標」 ほか)
第3章 「自分の弱さ」と向き合うために(自信が持てない 「責任」をとりたくない ほか)
第4章 日々の生々しい感情をコントロールするために(弱音を吐きたくなったら 失敗から立ち直れないときは ほか)
第5章 身近な「人間関係」と向き合うために(相手との関係を修復したい 親友がいない ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
29
自衛隊の心理幹部が教えるココロのもちかたという感じか。7割3割で、完璧を求めないことが繰り返し述べられている。書かれていること自体は分かりやすいっちゃ分かりやすいが、鬱などで悶々としている人には、分量が多くて読めないんじゃないかな。病む前に読んで、備える本だな。2019/09/08
Maiラピ
25
この手の本に多い、あいまいな表現ではなく、原因・根拠を提示して、具体的な処方箋を教授してくれる本だと思います。使える本。2014/03/11
ユズル
24
下園さんの本は以前も読んだことあるので、時折、読んだことある部分もありましたが、読むほどに、自分は鬱状態だったんだわと再確認。仕事で疲れているのに、(休めない💦)と思い、さらに仕事を重ねる。今も、誰にも相談出来る人は居ないけど、時間に余裕が出来た分、だんだんと心が柔らかくなってきた気がします。以前はほんと鋼鉄のようだったので。自分のトリセツ、少しずつ作成してます。2023/10/13
pulpo8
24
分かりやすかった。人間の本能は原始人の頃から変わらないのに、時代と環境は変わってしまった。よって、昔はなかった不必要な悩みを抱えることになる…。明確な証拠が示されるわけではないが、なんだか心にスッと入ってくる考え方。「皆それで悩んでるんだ、それって普通なんだ」と思えるテーマが多くて、自分の身に引きつけて読むことができた。アンガーマネジメントやアサーション、自律訓練法に通じる部分があり、学問でもなんでも、手段は違うけど行きつくところは同じなんだなと思わされる。「四つの中間目標」「7対3バランス」にナルホド。2017/02/20
riviere(りびえーる)
10
著者が自衛隊心理幹部というので読んでみた。本物の戦場でなくても、現代社会の戦場で生きる人たちのメンタルヘルスの役に立ちそう。、人には本来野生の心があり、 生きる原動力になっている。著者は「原始人の心」とそれを表現している。現代社会で野生の心を出しすぎると社会に適応して行けない。「適応」とはその野生の心をどう飼い慣らすかということになる。心理用語をあまり使わず平易に解説してい分かりやすい。2015/07/05