内容説明
ウチナーンチュ2世として大阪に生まれ、沖縄に移住して17年の著者が、猫とともに案内する那覇スージぐゎー<路地>。桜坂、栄町広場、ニューパラダイス通り、牧志、泊、天ぷら坂、壺屋通りなど、懐かしくて新鮮な路地裏を散策する。路地裏の島猫フォト〈写真:仲程長治〉&イラストマップ〈猫スポット付き!〉収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
89
筆者が貰い受けた向田さん(これが猫の名前)という美猫(ちゅらねこ)をデイパックに入れて、それを前に回したカンガルー状態で歩き回った極私的那覇のスージぐゎー(路地)案内。したがって、国際通りなどは名前しか出てこない。行先はもちろん、それぞれの場所に生息する野良ネコたちのいるところだ。もっとも、本書はそうした形を借りて、同時に展開される筆者の沖縄にまつわる生活や歴史やその他もろもろの感慨を含めたエッセイでもある。なお、表紙は向田さんではなく、筆者が浮気心を起こした美猫リリイ。向田さん、怒るんじゃないかなあ。2013/12/31
もーちゃん
14
那覇に住んでるけど、知らなかった歴史などがたくさん。仲村さん、猫が大好きなんだなぁ、猫になって仲村さんに飼われたい。それにしても、なんで表紙の猫は向田さんじゃないのさ。2014/01/18
二人娘の父
12
猫と那覇のお話しである。私は猫にほとんど興味はない。ただ猫好きな人たちが、どんだけ猫が好きなのかは、なんだか分かるような気がした。那覇の街歩きのガイドブックとしても、たいへん優れたエッセイとなっている。著者の文献はけっこう読んできたという自負はあるが、猫目線での那覇の語りは新鮮だった。今後の参考にしたい。2022/12/09
Koki Miyachi
11
沖縄那覇を舞台に、ひょんなことから生活を共にすることになったメスの島猫と筆者の物語。犬派を自認していたのだが、京言葉を話す?美しく、優雅な島猫「向田さん」との甘く心温まる交流を通して、すっかり猫の魅力の虜に。失われつつあるけれど、今もオーラを放ち続ける猫達と筆者が愛して止まない那覇の路地裏空間「スージぐわー」。沖縄の人々の暖かさと猫の関係も素晴らしい。猫と同じ目線で見た世界はとても新鮮で輝いて見える。知らなかった視点を体験を共有して、とても暖かいものが心に残る、そんな作品だった。2014/01/14
Hiroki Nishizumi
3
不毛きわまりない与太話に近いものがあるが、ほのぼのとしているところは良い。2018/05/05