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内容説明
2013年8月、アメリカを代表する高級紙であるワシントン・ポスト紙が、アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾス氏に買収されたことは、大きな驚きをもって全世界に伝えられた。だが、アメリカのメディア界では近年、このニュースに象徴されるような激変が起こり続けている。激動のアメリカ・メディアの世界を、ボーン・上田賞受賞記者が丹念な取材から浮き彫りにする。(講談社現代新書)
目次
第1章 岐路に立つ米新聞業界(米コロンビア大学のジャーナリズム・スクールを訪ねる オンライン報道をピュリツァー賞審査の対象に ほか)
第2章 ニュースはタダか(新聞不況の震源地 五人に一人が職を失う時代 ほか)
第3章 ハイパー・ローカル戦略は生き残りのキーワードか(小規模な新聞社ほど強い AP通信との契約見直し ほか)
第4章 NPO化するメディア(米ジャーナリズムの再建 「ウォーターゲート事件」取材統括の記者に会う ほか)
第5章 調査報道は衰退するのか(地元紙がなくなっても影響はない? 大学を拠点にする ほか)
1 ~ 1件/全1件
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
86
アメリカのメディアも色んな創意工夫が求められているんだなと感じた。その中からどのモデルが採用されるのか楽しみだ。2014/01/15
白玉あずき
9
なぜか読み進めるのが辛かった。ちっとも面白いと思えないのはなぜだろう。文章?構成? まず広告で収益を上げようと電子媒体を無料化したのは、とんでもない間違いだった。きちんとした報道にはそれ自体で価値がある。価値の再生産をするにはお金がかかるのは当然。価値を受け取る側(読者)が支払うのは当たり前のことで、広告主が支払うというシステムがそもそも変なんだと思う。報道の価値を自ら貶めるようなことをしてほしくないわ。等々思いながら読んでましたが、世の中精神的にも経済的にも貧しくなれば、報道の公益性などという考え方もで2013/11/12
おさむ
8
米国の新聞社のドラスティックな変化は、10年後の日本の未来図なのだろうか?民主主義にジャーナリズムは不可欠。新聞は厳しい環境下でも、何とか生き残りへの道を模索し続ける事が大事ですね。2013/10/17
nizimasu
8
現状のアメリカの新聞メディアを毎日新聞の記者が取材しまとめたもの。どこぞのデータで書いた本と違い、最前線で奮闘する記者や関係者の声をまとめ実に誠実な仕事ぶり。まずそこに敬意を表したい。それに加え、ニュースサイトのマネタイズやその縮小する広告費の埋め合わせとリストラのバランスも対岸の火事ではない。くしくも日本で成功している東洋経済オンラインの編集長も「調査報道の減少」をネット記事の特性とあげていてまさに現実の日本のメディア状況ともリンクするではないか。まさに日本のジャーナリズムの予言書になるかもしれない2013/10/14
yokmin
7
読売新聞(11/10/2013)「本 よみうり堂」掲載の開沼博氏書評「米国で起きている倒産・買収は『ただの後退戦』ではない。そこにある『技術の発展と消費者ニーズに沿った柔軟な変化』は、私たちが日本のメディアとジャーナリズムの未来を想像する上で様々な視点を与えてくれるだろう」に共鳴する。 このようなすばらしい読後感を記す能力があればいいなあ・・ 現代ビジネス(オンライン) 「3紙で18年間働いた日本人記者が明かす 米国の新聞はなぜ瀕死の状態に陥ったのか」 岩部高明著 をあわせて読むとよい。 2013/11/26