死にたくないんですけど iPS細胞は死を克服できるのか

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死にたくないんですけど iPS細胞は死を克服できるのか

  • ISBN:9784797373592

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内容説明

iPS細胞や死生観をめぐる対談集。

再生医療やバイオテクノロジーが話題に事欠かない昨今、人気作家と再生医療の研究者が、先端技術から死生観までを縦横無尽に語り合う!

死にたくない――という人の切実な願いに現在の科学はどう応じるのか? 再生医療の研究者と人気作家の率直な対話は、生物学、SF、話題のiPS細胞、そして死生観へと広がっていく。生命のかたちを楽しく考えるヒントが詰まった、画期的な対談集。

■著者紹介
八代嘉美(やしろ・よしみ)
1976年生まれ。京都大学iPS細胞研究所上廣倫理研究部門特定准教授。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了、博士(医学)。東京女子医科大学特任講師、慶應義塾大学特任准教授などを経て現職。
専門は幹細胞生物学。再生医療研究とSF小説などを中心とするポピュラーカルチャーを題材に、「文化としての生命科学」の確立を試みている。著書に『iPS細胞 世紀の発見が医療を変える』(平凡社新書)、共著に『再生医療のしくみ』(日本実業出版社)などがある。

海猫沢めろん(うみねこざわ・めろん)
1975年生まれ。文筆家。さまざまな職業を体験した蓄積を生かし、小説やエッセイなどの分野で活躍中。著書に 『左巻キ式ラストリゾート』(イーグルパブリシング)、『全滅脳フューチャー!!!』(幻冬舎文庫)、『愛についての感じ』(講談社)、『ニコニコ時給800円』(集英社)などがある。

目次

第1章 生物学を教えてください(ドラえもんは生物か 僕は死にたくない! ほか)
第2章 遺伝子と自分探し(遺伝子検査の結果を見る 僕はハゲたくない! ほか)
第3章 神様と生命倫理(がん細胞とエラーチェック 実験動物と生命観 ほか)
第4章 どんな風に死ぬのだろう?(やっぱり生物学は難しい!? デグレイとジョブズ ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

56
iPS細胞の実際と応用についてを生物学者に問うSF?作家との対談。海猫沢めろんの素朴な実感による生と死の根源的な問いかけがあり、生物学者の慎重な姿勢との対比が面白い。意外な話として、日本の生物倫理の規制は世界のものと比べて、厳しいのだそうだ。理由として、宗教関係者に生物学的な知見が乏しかったのもあり、何よりも論議が不慣れなせいか、結論が曖昧なままで、規制する側が面倒を避けるために必要以上に厳しくしてしまっているのだという。軽く読める新書。暇つぶしに。2017/06/25

耳クソ

12
ハード(=肉体)とデータ(=記憶)は不可分だとする生物学者と、生の条件としてのデータを重視する小説家の掛け合いが面白い。科学が未来をつくる為にハードという事実や実験結果という過去を重視するのに対し、文学は過去を保持する為あるいは自分を保たせる為に、しばしば未来を創作する。この「科学は過去をつくり、文学は未来をつくる」という逆説的事実を映し出すのは、誰にでも確定されている過去/未来である生/死に関する思考である、ということが、そのまま生/死の断絶に対する希望になるのではないか──いや、やっぱ死にたくねぇ!2021/07/13

こずえ

6
3章までは「素人」めろんさんの不老不死は実現するの?という質問に、八代先生が答える生物科学入門。これも楽しく読めるのだけど、4章が面白い。私は「死にたくない、と老いたくない、は別よね」なんて読んでたのですが、最後に集約してあった。面白かった!2013/12/04

T-山岡

5
ページを開いて飛び込んできた文字のポイントのでかさに少し不安を覚えたがw、内容はしっかりしており、iPS細胞などの最新の再生医療の実態、技術と生命倫理とのせめぎ合い等について、分かりやすく解説されている。特に、聞き手であるめろん先生のSF作品等を引いての解釈は「思想がないところに技術は生まれないし、技術が生まれることによって思想が引っ張られていく」という二人三脚の関係性を表した良い補助線だった。以前、津田大介さんが「死んだらbotになりたい」と言ってたけど、めろん先生もなのねw2014/02/02

12061125

4
めろん先生は「ニコニコ時給~」読んだときに文体気に入ってたんで、書店で購入するときに中身を確認しなかった。で、開いたら「文字でけえwwww」。さらっと読めてそれはそれで良かったりはした。挙げられる例に知ってる小説やマンガやニュースが出てきて、本にも鮮度や旬(?)みたいなものもあるんだなあ、なんて思った。目からウロコみたいな話題はなかったけれど、面白く読めました。あ、目からウロコ、あった。バイオパンク!2014/02/13

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