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内容説明
無限の広がりを持つ宇宙と、極小を描き出した素粒子の世界。両者が実は密接に関連する様子を明らかにした宇宙物理学にあって、ニュートリノは宇宙創生の謎を解く最も重要な役割を担っている。「身の回りにおびただしい数が存在しているのに、未だ捕まえることのできた数はごく僅かである」「飛んでいる間に次々と別のタイプに変化する」……数ある素粒子の中でも、異彩を放つニュートリノ。ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊に続き、著者は研究を主導し「ニュートリノ振動」などの世界的難問を解決した。第一人者が、最新の素粒子物理学とそのスリリングな実験現場を、数式を使わずにわかりやすく解説する。【目次】プロローグ 宇宙の謎を解く素粒子ニュートリノの「魔力」/第一章 ニュートリノとは何か/第二章 「ニュートリノ天文学」の扉を開いたカミオカンデ実験/第三章 ニュートリノに質量はあるのか スーパーカミオカンデとカムランドの功績/第四章 素粒子の統一と宇宙誕生の謎/第五章 これからのニュートリノ研究/あとがき
目次
プロローグ 宇宙の謎を解く素粒子ニュートリノの「魔力」
第一章 ニュートリノとは何か
第二章 「ニュートリノ天文学」の扉を開いたカミオカンデ実験
第三章 ニュートリノに質量はあるのか スーパーカミオカンデとカムランドの功績
第四章 素粒子の統一と宇宙誕生の謎
第五章 これからのニュートリノ研究
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
9
謎であるということは分かった。2014/01/31
たびねこ
6
極微の世界の素粒子が、極大の宇宙の生成の謎を握る。読み進みうち、素粒子が、したたかな生き物のように見えてくる。物理学者がミステリー作家のように思えてくる。わが知力レベルでは、難解な場面がしばしばありましたが、「背伸び」して読んでよかった。2013/11/01
bouhito
5
ニュートリノとは、つまりニュートラルから来ているらしい。ほかの物質と反応しないからこそ、捉えづらく、それゆえ、宇宙の奥底からさまざまな情報を我々に届けてくれる。高エネ研の仕事(加速器)について、わかりやすく説明してあったのが嬉しい。また岩手にできる予定のILCにも触れてあり、なぜILCが直線でなければならないのかということと、これまでの加速器と異なり素粒子同士をぶつけることでヒッグス粒子の研究にも役立つということがわかりやすく述べられていた。2016/11/03
5〇5
3
素粒子の一つであるニュートリノ研究の今が解説される。物質の基本構造であるミクロの世界からマクロの世界である宇宙の起源に連動するのが興味深い。本文中の「ウロボロスの蛇」の図が象徴的。2014/01/22
Shiki Magata-ma
2
面白! ニュートリノってだけで今の第一線の話題のほぼすべてに絡んでくるし、実験へのいろいろな立場の動きや実験者の躍動がよくわかる。 とくに82ページ。2017/08/28