内容説明
アスペルガーなどの〈発達障害〉の存在が、まだあまり知られていなかった時代。協調性のない行動から、問題児というレッテルを貼られてしまうニトロちゃん。クラスメートばかりでなく、やがて先生からもひどいイジメを受けるが…。著者自身の体験をもとに、過酷な学校生活を涙と怒りと笑いで描くコミックエッセイ。最後はちょっと救われます。
目次
見えない障害
ニトロのルールその1
ニトロの学校生活
学級崩壊
男の先生
ペンフレンド
ニトロは問題児?
終わらない授業
死のうと思う
良い見本 悪い見本
ニトロの黒魔術
反省ごっこ
ニトロのお友達
卒業
気に入らない子
頭の検査
ニトロのルールその2
ニトロの遺書
先生の仕返し
ニトロは悪くない
高校受験
あとがき
文庫版あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あん
76
沖田×華さんの、学童期を綴ったエッセイ漫画。アスペルガーなどの発達障害があまり知られていなかった時代に、協調性のない行動から問題児と位置付けられ、クラスメートや先生からイジメにあう姿に、胸が痛みました。コミカルに描かれているけれど、死を覚悟するほどイジメの実態は壮絶です。最後は良い先生と巡り会えたおかげで、ちょっとだけ救われますが、もしかしたら今もこんなイジメがあるかもしれないと想像すると怖くなりました。沖田さんのコミックエッセイに惹きつけられてしまったので、少しずつ読んでいきたいです。 2015/05/28
読特
57
融通効かない。行動は突拍子もない。没頭したら我を忘れる。規則が守れない。宿題忘れる。テストは零点。反省しない。友達できない。付き合えば争いごと。…扱いにくい子ども。怒鳴っても、叩いても、改善しない。寧ろ、心の傷は酷くなる。自傷する。遺書を書く。死に向かう。…行動には理由がある。彼らは彼らの理屈で動いている。理解しなければいけない。尊重されなければならない。…発達障害という言葉がまだ普及していなかった時代。苛酷な学校生活を送った著者の体験。怒りと涙を笑いで描く。他にも何人の子たちが苦しんでいたことだろうか。2025/12/16
パフちゃん@かのん変更
56
発達障害という言葉が市民権を得たのは最近の話だし、肢体不自由でも脳性麻痺でもない著者の障害は外からは見えづらくワガママとかルールが守れない悪い子として扱われてしまったのでしょう。著者のような障害を持つ子にとって、集団行動を強いる学校という場は地獄だったと思います。そして鬼畜のような体罰教師やエロ教師。即刻クビと言いたいところだが、あとがきに他の子からは「あの先生良い人だったじゃん」と言われているように普通の先生だったのかもしれない。最後に川平先生に出会えてよかったね。2017/11/07
あやの
43
発達障害の概念がなかった頃の学校では恐ろしいことが行われていたんだなと思った。体罰も容認されていた時代だから、今では考えられないようなことも描かれていて、マンガなのに読むのが辛かった。発達障害の子どもに特性に合った指導をすることは、今は当たり前になっていているので、ここまでのヒドイ対応はないと思いたい。×華さん、よくここまで生き抜いたと思う。2019/01/14
tomi
41
発達障害を持つ著者の小中学生時代の体験を基にした漫画。まだ発達障害の存在が認知されていない時代でもあり、問題行動が多い子供は先生たちの手に余っただろう。しかし2人の男性教師の体罰(というより「虐待」)はあまりにも酷い。教師から「今すぐ死ね」と怒鳴られ、首を吊る紐を捜し歩く場面。声を上げないのをいい事に密室で痴漢行為をする教師― 本当に酷い。2014/05/03
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