紙の眼

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紙の眼

  • 著者名:大山尚利【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 講談社(2013/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061828957

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内容説明

通り魔事件にざわめく街に増殖する、眼が描かれた貼り紙――主人公の「彼」は、ある朝、勤務先の入り口脇に眼が描かれた貼り紙を見つける。その奇妙な紙は、しだいに街中に増殖していく。一方で、「彼」は日常生活を盗撮された写真を誰かから送りつけられるようになる。連続して起こる通り魔事件と、「彼」を苦しめる盗撮写真や貼り紙に描かれた眼とは関係が?――都市生活者の不安を捉えた表題作ほか、書下ろし短編5編を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スリーピージーン

11
短編5編。異次元に紛れ込む感じがおもしろかった。世界が正体の知れない物を恐れ、崇め、求め、それに縛られる話「鉄柱」は隠喩的で、実際に起きそうな恐怖を感じる。もちろんこんな突飛なことはないけれど、思考しなくなった群衆なら似たような構造の愚行はやりかねない。2014/01/09

あじむ

5
「世にも奇妙な物語」のような短編が5編収められた作品です。 どの短編も設定や仕掛けは面白いなと思いましたが、物語としてはあまり楽しめなかったです。もっと肉付けが必要ではないかと思える箇所が多く、そういった箇所の掘り下げがあればもっと面白くなったのではないかと思いました。「考察のしがいがある」と「説明不足」は全くの別物だと思います。 不満のある短編集でしたが、その中でも無駄なく伏線を回収した「濡れた喪服」と、宗教に対しての皮肉が込められた「鉄柱」がお気に入りです。2024/01/29

ハルト

4
読了:○ 不特定多数の、どこの誰ともしれない第三者によって見つめ操られているような不安さや不気味さ。そんな、日常のどこかに潜んでいるかもしれない不条理さを色濃く楽しめました。通り魔事件と紙に描かれた眼によって起こる惨劇の表題作と、一夜にして突如空き地に現れた鉄柱と『人』とを巡る狂騒を描いた「鉄柱」が中でも好きでした。2013/09/27

spica

1
連続通り魔事件が起きるとある街の短編集。超自然的な不思議と、人間という存在の不思議が混ざり合って、全体的に幻想的な雰囲気を作ってるけど、内容はダークで怖い。後味がいいとは言えない。でも、余韻はすごい。2014/06/08

ちぇん、

1
著者の本領発揮とは言い難い印象。 著者の長編作品を見るに、①理不尽な謎や特異な設定をもとにしたストーリーテリング、②日常の仕草や細やかな所作等の描写によるリアリティを付与、あたりが特長として挙げられるが、短編では①に枚数を費やしてしまい、②の描写が不足している。 そんな中で出色の作品として「鉄柱」を挙げる。ある日突如現れた鉄柱に貼りついた男。鉄柱の近くに住んでいた主人公の視点から、男に対する世間の動きを描きつつ、心理・情況も丁寧に掘り下げていく。 ただ、長編の尺で読めたらなぁという悔やみが残る作品。2014/01/09

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