内容説明
僕は人形を作り続ける。42号と名付けられたこの人形の頭部にはまだ髪がなく、唇にも紅は塗られていない。しかし柔らかな筆で丹念になぞると、その頬は赤みを帯びていく。まるで、死体に命を与えているかのようだ。42号が完成すれば、僕はもう、人を殺さなくて済むかもしれない……。美麗なビスクドールを造る天才人形作家、椿涼。その裏の顔は、忌まわしい連続快楽殺人鬼であった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
62
人形作家・椿 涼は自分の作ったビスクドールにそっくりな女性を次々と殺して行く。。。猟奇連続殺人犯なのに何故か、捕まらない。もう殺すのは嫌だからと憧れの女性ソックリなビスクドールを作ったものの・・・人形と言えばバービー人形な私ですがビスクドールにすごく興味を感じました。2021/02/09
mr.lupin
44
大石圭さんの著書18冊目読了。ビスクドールを造る天才人形作家の椿涼。涼はどんな人形を造るかではなく、人形からこう造れと訴えてくる。どんな人形ができるかは、出来上がるまでわからない。そんな中で人形に良く似た女性を見つけると殺害して… ここからは大石さんの得意な展開に。毎度思うけど、大石さんの作品に出てくる女性達は、とてもスレンダーなスタイルだが、これは大石さんの好みなのかな?もう少し違った女性像も登場すると雰囲気も変わるかもしれないなと思った一冊。☆☆☆★★2021/08/15
ミーコ
35
ホラーだと思って読んだのですが…。結末は いかに!?と思ったけど これで終わり!?的な感じで 気持ち悪い作品でした。警察が全く疑わないのも不思議だし…。ただただ この先も殺人を犯して行くのでしょう。2014/02/23
MINA
23
中村文則の『去年の冬、きみと別れ』読んで人形繋がりで再読。大石圭らしいお話。うーんラストがどうにも釈然としない。ちょっとズれるけど、人の生存本能としての三大欲求って性欲・食欲・睡眠欲だけれど性欲だけが往々にしてどこかタブー視のような感じで後回しにされてる感があるけど、ならば強い性欲には結局何を理由づけても抗えることは出来ないんだろうな…なんて思ったりした。ある種中毒性のある麻薬のような。でも結局人形と酷似してるという理由で殺し犯した後、彼女たちの人形だけ全然似てないのはどうしてなのかよく分からなかった。2015/07/22
うさっち
11
主人公はネクロフィリアで連続快楽殺人鬼の人形作家。タイトル通り「殺さずに済ませたい」と望みながらも、己の欲求のために殺さずにはいられない切なさと悲しさが伝わる。ラストは何とも救いがない…。2013/09/21
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