小学館文庫<br> 踏んでもいい女

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小学館文庫
踏んでもいい女

  • 著者名:斉木香津【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 小学館(2014/02発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094088472

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内容説明

大ヒット作『凍花』に続く文庫ミステリーを電子化!

 真砂代は、横浜で銭湯「くじら湯」を営む祖父と二人暮らしをしている。自分の容姿には、どうしても自信が持てない。知人の仲介で望みもしない見合いをしたところ、ほとんど話もしないうちに相手の男性は席を立ってしまった。みんな自分のことを傷つけても踏んづけてもかまわないと思っているように感じてしまう。
見合い相手には、ずっと思い続けている貴子という年上の女性がいるらしい。真砂代はひょんなことからその貴子と知り合い、日中の限定で家事を手伝うようになる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らむれ

88
注目の作家さんということで手にしてみました。すごく読みやすい文章で、スラスラ◎貴子の描写が魅力的で、お洋服も毎回楽しみでした。弱さの反面で強がっちゃうブレアみたいだな、と。貴子が絵を描き続けた理由を思うと切ない。貴子に影響されて、美しいものに触れて、凛とした自負を持てる女性に成長した真砂代に安堵。ただ、「踏んでもいい女」というタイトルからもっと女の自意識ドロドロ系かと思っていたので(笑)もうちょっと展開に捻りが欲しいかも。というか、裏表紙の煽りが悪い。作品自体は綺麗で良くまとまっているもの。おい編集者。 2015/09/30

アッシュ姉

75
『凍花』の著者のデビュー作。うーん、ううーん、ぬぅぉー(とうとう熊になってしまったわけではない)、読み終えて唸ってしまう。真砂代と貴子の交流はとても面白かったのに、タイトルと装丁のせいでテーマがぼやけてしまった印象。何かしっくりこないというか勿体ない。作品の雰囲気にそぐわないタイトル、驚愕の真相を語っているわけではないのに過剰に煽る紹介文が台無しにしている。共感した読友さんのお言葉を借りて一言「おい編集者」!引き込む力を持っている作家さんなので、他の作品も読んでみたい。2017/01/31

choco

62
表紙の女性の服装や雰囲気からして現代の作品かと勘違いしたが、物語は戦時中。もんぺに防空頭巾、食べる物すらなく生きていくのに必死な昭和20年代。お国のために!を大々的に口にする時代に翻弄される、自称踏みつけられる女、真砂代と謎の美女貴子。自分の知らない世界を持ってる貴子に惹かれる気持ちよくわかる。また、そこで素直になれず嫉妬や妬みが入るのが真砂代らしいな。しかし、タイトルの意図がよくわからない。2017/01/23

takaC

62
読み出してすぐになんか読んだ気がすると思って確かめたら『千の花になって』の改題文庫化版だった。そういえば以前誰かにそう教えてもらったことがあったっけな。2014/01/25

ジンベエ親分

58
この本をミステリーとか「真相に驚愕する!」といった宣伝はこの本の魅力を却って削いでいる気がする。舞台は戦時中の横浜。語り手は自分の容姿や機転に自信がなく、自分は他人から「踏んでもいい女」だと拗ねている19歳の真砂代。彼女が知り合い、不思議な縁を持つ貴子という贅沢な暮らしをして絵ばかり描いている女の"正体"が、ミステリー的に言う「謎」ということになるのだが…。貴子の正体は別に意外でも驚愕するものでもないが、戦時中の人々の暮らしが丁寧に描かれ、踏まれても枯れない人々の強さが印象に残る。祖父の茂吉が好きだな。2019/01/14

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