内容説明
映画にはなぜ、お葬式のシーンが多いのか? 気鋭の宗教学者・釈徹宗師の問いから始まった対談。お相手は日本で一番若者が集まるお寺・應典院住職にして、かつては映画プロデューサーだった秋田光彦師。2人の“怪僧”が映画の中の生老病死、そして葬儀を手がかりに、人生の苦しみといかに向き合うかを説きます。とりあげる映画は『秋日和』から『永遠と一日』まで、全110本。読めば必ず観たくなる!
目次
第1章 生きる(「宗教的映画」って何やねん 無縁社会の若者たち ほか)
第2章 老いる(世界最強の老人映画 師匠と弟子 ほか)
第3章 病む(なぜ余命ものが流行るのか 末期ガンを生きる ほか)
第4章 死ぬ(死体と遺体 埋葬と遺骨 ほか)
第5章 葬る(なぜ『おくりびと』に宗教者はいないのか 葬式のコミュニケーション ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
35
住職であり映画好きな両者の対談。生老病死の視点を持ち、映画を解説されている。映画製作者がそのモノを考慮して作っているものもあるだろうが、ここでは仏教者としての視点で論じられているのでユニークであり、なるへそなどと思う。映画はマイノリティを主役としているという点は頷いた。「橋のない川」(差別部落)はいつか読みたい。Terminal ill を宣告されたらアラスカへキャンプしに行くぞ。2019/08/06
貧家ピー
4
カルチャーセンター連続講座を基にした一冊。 各章立てが「生老死苦」が骨格になっており、映画紹介を受けながら、仏教の考えに触れている。 映画を一杯見たくなるのも間違いない。2018/09/21
sumikko
0
△映画好きの坊さんと元映画関係者の坊さんの対談。タイトルは半分詐欺で後半は現代日本仏教の在り方について。後半やや話が飛躍するというか行間がわかりづらい。あと同傾向の人同士の対談なので距離を置いて読んだ。2015/04/11
裏壱
0
映画好きのお坊さんふたりによる映画と仏教の本。この本を読んで「なぜゾンビは日本人にとって身近な恐怖ではないか?」が、きちんと整理できた気がする。 「火葬技術の格段の進歩」というその職関連の方じゃないと聞き慣れない言葉や、映画の会話の「限定コード」と「精密コード」の話、あと日本人の死生感が外国からどう見えるかが面白かった。 一方、映画をあまり見ていない私には、ツーカーでやりとりされる映画の例えがいまひとつ追いつかないことや、「今後仏教/寺院はどうあるべきか」等の自分が実感しにくい部分もあった。2014/09/16
あべちゃん
0
うーん、なるほど。「嫌われ松子の一生」にそんな宗教性があったなんて…。一見仏教とは関係のなさそうな映画もどこかしらに仏教テイストが流れているようです。二人の対談も面白い。2013/10/06