内容説明
年もおしつまったある日、埼玉県岩槻市の川土手で、自動車教習所の配車係が死体で発見された。男には職場の同僚と悪質なギャンブルを行なっていた疑いが浮上する。そして年が改まったとたん、教習所の技能主任が密室状況下の建物の中で撲殺される。さらに指導員の男が自宅マンションの駐車場にカバーをかけて駐めてあった自分の車の中で殺されていた!! 自動車教習所に通う教習生と指導員――その絡み合いの中からあぶり出される複雑な人間関係。やがて捜査線上に浮かんだ容疑者には、二重三重の鉄壁なアリバイがあった……!? 『模倣の殺意』の著者・中町信が本格ミステリの王道〈密室+アリバイ破り〉に挑んだ傑作長編推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
55
原題は「自動車教習所殺人事件」、乱歩賞最終候補にまでなってます。密室+アリバイ破りという本格ミステリの王道を行くトリックに加え、自動車学校という舞台装置を最大限に活用してトリックに取り込むという壮大な試みをしていますが、それでも地味です(笑)。しかもバカミス寸前ですし…。そんな吹けば飛ぶような脆いトリックを考えて事態を悪化させるくらいなら、さっさと自首しなさい(笑)。と、あれこれ愛ある突っこみを入れたくなるくらい、中町さん、好きです。まだまだ認知度が低いようですが、もっと評価されても良い方だと思います。2015/07/21
すい
27
東京創元社の新刊紹介コーナーでみつけて、図書館にリクエストまでして読んだ本なのだが、それだけの価値があったと思えた。 1980年出版の『自動車教習所殺人事件』を改題したとのことだが、内容はタイトル通り。 自動車教習所を舞台に、指導員と教習生の複雑に絡み合った人間関係が見事に事件を複雑なものにしている。 時代が時代なので古臭く感じる場面もあるが、充分に楽しめた。 これからもっと中町さんの本を読んでみたいと思う。 作者が4年前に他界していることが、本当に残念。 2013/12/05
あらあらら
20
謎解きは順調に進んで行きます。最後にすべてを明らかにしてくれるのでスッキリできる。まだまだいい作品が、うもれているはず。どんどん再販して欲しい作家2015/05/18
ステビア
20
アリバイ崩しと密室。例のアレはありませんが堅実な本格でしょう。2014/12/14
桂 渓位
19
中町先生の作品では、一番地味目の作品かも知れません。 時代が少し前なら、二時間サスペンスの 題材向きかと思いました。2018/05/08




