講談社学術文庫<br> 「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》

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講談社学術文庫
「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》

  • 著者名:橋本毅彦【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2013/09発売)
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  • ISBN:9784062921879

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内容説明

フランスのオノレ・ブランという技術者による「互換性部品」に始まる近代の標準革命。アメリカでその技術は、困難を乗り越え、「アメリカ式製造方式」として確立された。さらにテイラーによる作業の標準化は、アメリカを製造業大国にする。公的機関が標準を決めるデジューレから市場での占有によるデファクトの時代へ。「標準」をキーワードに、製造の現場のドラマと国家、企業、市場の関係、そして背後に潜む思想を探ります。(講談社学術文庫)

目次

第1章 ジェファーソンを驚かせた技術―標準化技術の起源
第2章 工場長殺人事件を越えて―「アメリカ式製造方式」の誕生
第3章 工廠から巣立った技術者たち―大量生産への道
第4章 ネジの規格を決める―互換性から標準化へ
第5章 旋盤とレンガ積みの科学―テイラー主義の出現
第6章 標準化の十字軍―国家による標準化とその限界
第7章 技術システムの構築と標準―二〇世紀の交通輸送革命
第8章 標準化の経済学―デファクト・スタンダードの功罪

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

49
「標準」と「互換性」の歴史に関する本。銃や大砲の互換性から部品・工作機械、さらにはテイラーの科学的管理法やギルブレスの動作研究に及んでいく。「標準」は自然に生まれたものではなく、順調に作られたきたわけでもない。戦争による大量消費で促進されたり、戦争終結や労働者の反対で頓挫したりする。産業革命の発祥地イギリスでは貴族を顧客とした銃の作成をしていたため、互換性の点でアメリカの後塵を拝したりする。最近もSDGs(持続可能な開発目標)のような「標準」によって対応を迫られたりするので、無関心ではいられない。2020/08/08

ゲオルギオ・ハーン

22
『標準化』をテーマにした技術の世界史ともいうべき内容。コンパクトにまとめているが情報量が多く、とても読み応えがある。まず興味深いのは技術の標準化のスタートを1720年代フランスのマスケット銃の発火装置部品規格の整備計画としていることでした。その後、イギリスから独立したは良いが、イギリスから直接輸入出来ず軍需物資不足のアメリカで部品交換で銃や大砲を再利用することを目的に部品規格の整備が本格的にスタートしたそうです(コスト削減や生産量増加が最初のテーマでなかったことも興味深い)。2021/02/19

春ドーナツ

17
「前日島」を再読してクロノメーターに興味を覚え、芋づる式に本書まで辿りついた。先日「精密」を鍵言葉に用いた工学史を読んだばかりなので、「かぶらなければよいが」と案じた。許容範囲の杞憂に終わる。よかった。YouTubeでレゴ社の工場見学を覗いたけれど、本書の表象となっているなと今思う。標準や精密をとことん推し進めていくと、完全オートメーション化され、そこに人の匂いを嗅ぐことはできない。トマス・ピンチョン氏が紙上で「私は生涯ラッダイト主義者だ」と表明した。文化も無人化されてたまるかと危惧されたように受け取る。2023/06/22

masabi

15
【概要】互換性と標準の考え方がいかに生まれ展開したのかを巡る科学史。【感想】機械による精密加工が可能になるまで手作業による調整が必須であり、互換性や標準とは無縁であった。当初は銃の部品の互換性を確保することに始まり、それが部品に留まらず標準を定め、製作を担った技術者が他産業にも伝え互換性・標準の考え方が普及していく。製品に限らずそこで働く労働者の動作も熟練工に寄せて標準化される。現代社会の前提となっている標準が何を捨象しているかには注意を払いたい。2022/12/18

無重力蜜柑

13
物流や交通から通信や産業まで、現代社会は複雑なネットワークを構成している。それを可能にしているのが「標準」という概念である。目から鱗の「標準」を巡る科学史。議論は啓蒙期フランスにおける小銃の部品の「互換性」から。小銃の部品の寸法や形が精密に統一されていれば、戦場での修理は容易になり軍事的有用性は計り知れない。しかし技術が追いついていないが故のコスパの悪さや職人の反発からフランスでの進展は頓挫する。後を継ぐのがアメリカで、製作自体を機械化することでコルトやエンフィールドなど互換性を持った有名な銃が生まれた。2022/04/23

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