内容説明
太平洋戦争そのものを個々の戦闘の集大成と見ることで、軍事とは本質的にどのような意味を持つのかを検証。また、昭和29年9月に調印された講和条約の発効により国際社会に復帰した折りの日本の政治・外交の局面を俯瞰。
目次
第1部 昭和の戦争(原発事故と太平洋戦争―二つの失敗、その共通点 「勝利」‐快進撃に隠された組織の非合理―真珠湾攻撃、シンガポール作戦、比島作戦 「挫折」‐組織のメンツが生む隠ぺい愚劣な作戦―ミッドウェー作戦、ガダルカナル争奪戦 「崩壊」そして「解体」「降伏」‐建前と観念、組織対立の果てに―アッツ・サイパン・レイテ決戦と沖縄戦 あの戦争を新視点で考えるナイフとフォーク)
第2部 昭和の独立(戦後日本のはじまりを知る―「独立」への道と吉田茂 「講和」とは何だったのか―保守本流・吉田茂の歴史的意思 「憎悪は憎悪によって取り除かれない」―講和会議の五日間 「北方領土、尖閣、竹島」再考―講和条約と領土問題 日本の「ありうべき姿」とは何か―日米安保、米軍基地問題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
2
保阪は“負けるに決まっている戦争”を無計画に始めたと非難し吉田茂の米国追従軽武装路線を支持する。昭和一桁は深い思弁家が多いが十年ほど遅く生まれると何故こうナイーブなのか?戦後政治を理解するには「大韓民国」と称する不法集団の我が国への侵略の歴史を抜きにしては語れないはずだが。最近昭和四十年の日韓基本条約無視の振る舞いが目立つが、仮にも国家として条約が守れないというのなら中国属国に戻るしかない?仮に日本が戦争したのが罪であっても民族差別は不可。50年かけて半島統一するぐらい強力な指導者は持てなかっただろうか。2014/01/26
matsu04
1
保阪氏の真摯な主張は心地よい。2014/08/13
石司晃
0
星5つ。2016/08/07
kinjiro
0
著者のことはラジオ番組で知った。穏やかな語り口で「まとも感」のあることを語る人だと思った。この本の中身は戦前から戦後まで駆け足で語っているが、新しく知ったこともかなりあり戦後70周年の今年読むには向いていた。2015/06/13
tuki
0
この本は独立に関する部分を重点的に読んだ。日本が講和条約締結にあたり非武装中立を目指すのは、憲法の信条から考えてむしろ当然かもしれなかった。しかし、東西の大国の狭間にある日本がそのような「真空地帯」となることは、当時の世界情勢から、かえって他国の侵略を招きかねないというのは理解できる論理。取り急ぎ吉田茂は日米安保条約で急場をしのいだけど、今はそんなものに頼らずに国防できるところまで来たとみなすべきなんだろうか?もっといろいろ調べないと自分なりの結論は出ない。2024/02/25