内容説明
昭和40年の暮れ、上野、池之端にある江戸から続く老舗糸屋の当主・清兵衛が亡くなった。あとに残されたのは美しき三姉妹――長女として老舗を守るしっかり者の藤代、のんびり屋の次女喜久子、そして若くて活発な末っ子の桃子。下町人情の機微に揺れながら、3人の娘がたどる三者三様の愛と人生の哀歓を描く表題作ほか、2編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
47
昭和の香り漂う物語でした。3人の姉妹が織りなす下町人情物語。愛と人生の哀歌がしみわたります。2020/12/15
anne@灯れ松明の火
8
新刊棚で。平岩さん、好きでよく読んでいたが、「御宿かわせみ」をどこまで読んだかわからなくなってから^^;離れてしまった。新刊かと思ったが、”新装版”だったようで、実際に書かれたのは昭和40年代。内容的には確かに古いかもしれないが、読み出したら止まらなかった。短編2編、中編1編で、短編の方はそれほどでもなかったが、最後の中編は腹違いの妹たちに振り回される姉の気持ちを思うと、胸が痛くなった。2013/12/04
YOUCO19
5
旅の途中、読む本がなくなって一緒に行った友達から借りた本。昭和40年を背景に3つのお話。昭和のテレビドラマを見ているかのような楽しさがあった。表題にもなっている「花のながれ」は老舗の帯締めを作っているお店の話。実際にある有名な帯締め店とは関係ないだろうが、改めて帯締めの持つ魅力を感じた。平岩弓枝、こんなことでもなければ読むことはなかった作家だろうからこれを選んで持ってきてくれた友達に感謝!2018/01/22
森の猫
2
昭和の香りがする内容でした。客室乗務員が、当時はエア・ホステスやスチュワーデス…と呼ばれてましたね。糸屋新堂の話は、今の時代にもあることかも知れず、暖簾を守ることと、個人の幸せとが、両方成り立つのは幸せなことなんだろうなぁと。2014/04/07
Kei3
1
最近時代物読んでたので、これも同じような感覚になったけど、昭和40年代の話なんだな。女性の描かれ方がやっぱり今の時代とは違うからかな。3話どれもある意味で痛快。ハッピーエンドではないけど。2016/06/04