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内容説明
なぜ四季のセリフは聞きやすいのか――。創立60周年を迎えた日本を代表する劇団「劇団四季」は、他の新劇と比べてセリフの聞き取りやすさに定評があります。その秘密は「母音法」「呼吸法」「フレージング法」という独自のメソッド。言葉に対する探求の積み重ねが生んだ賜物といえるでしょう。それを会得することは、一般の人々にとっても、対人関係やビジネスの現場において第一印象がよくなり、思っていることを正確に伝えられるといったメリットがあります。そしてある種の健康法としても。創設者・浅利慶太氏が、そのメソッドを余すところなく初公開します!
目次
第1章 日本語について―武器としての話し方
第2章 母音法―正しい発声のために
第3章 呼吸法―腹式呼吸と声の出し方
第4章 フレージング法―言葉はどこで切るべきか
第5章 劇団四季の歴史―言葉に対する探求の積み重ね
巻末付録 『美しい日本語の話し方』教室台本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
奥澤啓
72
劇団四季の稽古風景をテレビで見たことがあり、発声訓練法に興味を覚えていたところこの本に出会った。セリフの母音だけを抽出し、大きく口を開けて発音する。その訓練に習熟したところで発声することで聞こえがよくなり、セリフ全体が明瞭に聞き取れるようになるというのだ。外国語の教育音声学にも同様の訓練がある。母音・子音の調音からはじめて、同化現象、単語、文等へと進め、イントネーションやアクセントへと広げていく。音節の認識もとても大切だ。俳優も外国語学習も発音訓練では同じなのだ。外国語を勉強する人にもこの本は役立つ。2015/05/27
あちゃくん
50
劇団四季の伝わる話し方を主宰の浅利さんが解説した本です。劇団四季の言葉に対するこだわりが感じられて良かったです。「母音法」「呼吸法」「フレージング法」と具体的なメソッドが解説されていて、すぐにでも実生活で応用できる内容です。特に母音法については、最期に小学校で授業する際の台本までついています。欲を言えば、(本で実現するのはなかなか難しいと思いますが)「フレージング法」についてより突っ込んだ解説があるとよかったと思いました。2013/08/20
壱萬参仟縁
22
普段から砕けた言葉ばかり使っている人は、場や相手によって言葉を使い分けるということができなくなります(17頁)。この指摘は、KYにもつながると思うが、配慮ができるかどうかと思われる。発声、声の出し方(20頁)に問題のある人のダメ出しがある。呼吸では吐き切ることが重要という(100頁)。遺伝すれば、私は呼吸には不安がある。ランニングが苦手だったから。言葉に対するイメージを育てるためには、本を読むこと以上に効果的な方法はありません。2015/01/21
りえこ
22
とてもわかりやすくメソッドの説明がされていて良かったです。2014/05/16
neimu
17
基礎的な訓練、四季の生い立ち、演劇観、実際の指導の様子、あれこれ駆け足で読む浅利慶太の世界。読み易く分かりやすい内容。娘が演劇部なのも、私が四季の会に入っているのも無縁ではないと思い読んでみたけれど、実際国語の授業で教えることのない「美しい日本語の話し方」、本当に気になる。ちなみに年を取ってきたせいか、ホホの筋肉が衰えてきたのか声帯の問題か、差し歯等義歯のせいか、昔ほど朗読が気持ちよくできなくなってきたのが哀しい。それにしてもやっぱり血筋が良いと疎開してもしなくても文学的演劇的環境に恵まれていたんだな。2013/08/02