内容説明
キャロラインの結婚生活は破綻しかけていた。法廷弁護士のジェイムズとはお互い一目惚れで結婚したが、気がつくと、夫が留守がちな家で彼女はいつもひとりぼっち。ジェイムズが彼女の友人を遠ざけ、主婦業に専念させたせいだ。昔の友人ジェイクとでくわしたのは、そんなときだった。思い出話に花が咲き、キャロラインは久しぶりに声をあげて笑った。ジェイクに熱っぽく見つめられ、また会わないかと誘われたとき、すぐに返事ができなかったのは、夫への罪悪感を覚えたから?いいえ、そうではない。キャロラインはふいに気づいたのだった。目の前の魅力的な男性が霞むほど、私はまだ夫に焦がれている、と。■80年代に活躍した異色の実力派作家シャーロット・ラムによる、非常に印象深い作品を初邦訳でお贈りします。愛し合っているはずなのに、闇にのまれるように破綻していく夫婦。失いかけた愛を取り戻そうと懸命に闘うヒロインの姿が、読む者の胸を突きます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アカツキ
13
元女優ヒロインと弁護士ヒーローの結婚は二年目にして破綻しかけている。ヒーローが望むまま専業主婦になり、彼が嫌う演劇仲間の友人たちとは疎遠に、さらに夫の望まない妊娠の末に流産。ヒーローのきつい言葉に反応する気力もなく暗い顔で街歩きしていたヒロインは友人と再会、パーティに行く許可を得ようとヒーローに会いにいくが女性弁護士と親密な様子で…。ヒーローの嫉妬深さはひどいけれど、人に影響されやすくワキの甘いヒロインのフラフラっぷりを見ているとヒーローが不安になるのも仕方ない部分はある。共感できないヒロインだった。2021/02/21
ぽこ
6
私だったら絶対ジェイクを取る。暴力的で執着心の強い夫の方を取るヒロインの感覚が理解できない。でもヒロインはそんな彼を愛しているらしいし・・・(ーー;)2015/01/05
きき
5
この旦那のやってることってDVですよね?レイプまがいの行為もあったし、昔の作品だから?嫌じゃなかったから良いのよみたいな妻の言葉も今じゃあり得ないと思うわ
やまと
4
何だろ、ヒロインの性格があまり好みじゃない。ヒーローの嫉妬深過ぎてドン引き。お話もいまいち好みじゃなかった2016/01/10
ちゃろ
3
⭐⭐⭐⭐夫婦再生もの。ヒロイン、夫、ヒロインの親友ジェイク。夫とは半年以上ベッドをともにしていなくて、ヒロインへの態度も冷たくて言葉も辛辣。そんなとき、2年ぶりに会ったジェイクがヒロインに猛アタック。親友と思っていたのに男性として意識してしまう。途中までヒーローが夫なのかジェイクなのかわからずドキドキ。夫の胸の内が複雑過ぎてこんな夫を持つとたまらん、とは思うものの、ここまで求められ、必要とされれば女性であれば心は動くかも。一風変わった作品で良かったです。2014/11/03