内容説明
「蛍の舞う頃にはまた戻る」と言い残して去った男を尋ねて上京した、箱根の宿の女主人おみねだが、運悪く持ち金を掏られてしまう。現場に居合わせた見届け人秋月伊織は、途方に暮れるおみねの探索を助け、紙問屋の倅と名乗った男の行方を追う。しかし語られた身の上は偽りであった。文庫書下ろし第六弾! (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
70
見届け人秋月伊織事件帖「夏ほたる 」6巻。殺伐とした所がが無く生と死が明暗を分け少し悲しいかな、伊織さんはどうなるのか気がかりです。2014/08/16
ぶんぶん
9
見届け人シリーズ、第六弾! 抜群のチームワークを見せる「だるま屋」の面々、今日も悩みを抱える人々のため東西奔走。 お話に人情味があるのですが…何処と無くご都合主義が多いと思います。 特に「兄、弟」が物語を造ってる感じ満載です。 酒飲み大会で土屋が優勝も出来すぎならば、準優勝者が探し求める仇も出来すぎ。 おもとが成瀬に鉄蔵の事を密告するのも解らん、最後に鉄蔵が討たれるが、あっけなさ過ぎ、もっと良いラストがあったと思う。 今回はドラマのためにドラマを作りすぎ、ではないのかと思う事しかり…2015/12/07
あかんべ
7
最後のおみねの気持ちを考えると、胸が詰まる。秀次郎は結局三国屋に留まりそうな予感がする。フィクションの世界だからどう考えてもいいのだが、江戸時代の人って今に比べ保守的だからね。2013/09/06
ひさか
5
6巻め。短編3話。江戸人情、捕物というテーマですが、じれったいような、のんびりした筋運びで、まるで時間がループしているようです。藤原さんの作品の中でもその傾向が特に顕著です。こういうのもありで、僕は好きです。伊織がお屋敷に帰るかもしれない話もまだ後5巻くらいは大丈夫なんではないかと思います。2013/09/07
ソババッケ
4
シリーズ6作目。古本屋の主・吉蔵の余業は、「お記録屋」という。世上の風説、柳営の沙汰、江戸での事件などの顛末を記録し、お得意様に提供して対価を得るというもの。それらの情報の真偽を調べるのが見届け人・秋月伊織、兄は秋月家の当主で御目付を務めている。浪人の土屋弦之助、元岡っ引きの長吉が仲間。吉蔵の可笑しいのは「だるま屋」の前に蓆を敷き、素麺箱を置いて、そこで「お記録屋」の仕事をやっているところ。お藤は伊織が通ってくるから「だるま屋」に居ついているようなもの。伊織は、兄から養子に望まれている。★3.52013/09/27