内容説明
「借りた金は忘れるな。貸した金は忘れろ」、「人は実感したものを信用する」、「権力の中枢は空洞だ」等数々の名言を残した田中角栄。角栄とは何者だったのか。戦後日本の象徴。鉄の結束を誇った「田中軍団」を作り上げた宰相。さらにはロッキード事件後も「闇将軍」として威力をふるった権力の源泉はどこにあったのか。盟友大平正芳、ライバル福田赳夫、竹下登、金丸信、小沢一郎、羽田孜、石破茂といったその後、一世を風靡する数多くの側近たちの証言をもとに昭和の巨魁・田中角栄の実像に迫る。
目次
序章 田中角栄 情は武器なり(角栄と石破親子の接点 エリート官僚を篭絡させる“角栄の涙” ほか)
第1章 越山 田中角栄の戦後(不惑まで、やることをやって死ぬ 刎頚の友 ほか)
第2章 上昇気流(出しゃばると叩かれるぞ ケンカ太郎VS「軽量三役」 ほか)
第3章 権力の階段(角栄にとっての小沢一郎 金は渡し方を間違うと死に金になる ほか)
第4章 栄光と挫折―その死(一五六票! 小佐野が総裁選に使った六〇億 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書ニスタ
36
書出は石破茂氏の父の葬儀から。コンピュータ付きブルドーザー、人情家と知られる田中角栄氏。所々に語録もあって人となりを知ることができました。嘘はダメとか、中居上がりが料亭をうまく回すとか、下積みしてる人が聞いたら、泣いて喜びそうな言葉が続きますが、それは人を使う人の言葉だとも思います。田中角栄と同じ目線にあった同志には、きっと別の言葉が、もっと残酷で、人の心理を見抜いた言葉が残ってるのかも。人の困りごとに飛び込んで心を鷲掴みするタイプの政治家はもういないかもしれませんね。2019/09/25
Tomomi Yazaki
21
これは、田中角栄の私生活、それから今も政治家として活躍している教え子たちとの交友を楽しく、そして裏表のない真実としてまとめた記録である。所々、角栄の一言が顔写真と共に掲載されていて、その言葉はみな、教訓や学びの糧となる。そしてそれは不思議と今の自分に当てはまり、角栄の顔写真の表情が違って見える。笑っているような、悲しんでいるような、困っているような、そして怒っているような。角栄には敵が沢山いたが、慕う者や支えてくれる者はもっといた。今の政治に、そしてこの日本に、わずかでもその心は残っているのだろうか。 2020/11/30
パグ犬
19
田中角栄研究の第一人者、大下英治氏の著書。豪放磊落かつ人情家だった人柄が感じられる。『与えられた仕事に全力を尽くすことが、新しい場面を開く結果になるものだ。』『一生の間、理想を追っても結論を見出せないような生き方は嫌いだ。すべてのことにタイムリミットを置いて、可能な限りの努力をする。』発言もパワフルだな〜φ('ω'* )2016/06/11
T2y@
10
とにかくもうムネアツ! 書籍の文を通した言葉だけでも、充分に惹きつけられる。 大平さん曰く、『会う時は一対一でなく、複数で行け。』とまで言わしめた、人を惹きつける魔性の「人たらし」ぶりは、正に今太閤と言うべき。 角栄とは同郷の出身ゆえに、その生来の世話焼きぶりは、新潟県人らしさを感じ得ない。 行動力と読心力は、とても全ては真似出来ないが、その人心掌握術は学ぶべきところ多し。 真似をする金も無いがしかし。2013/08/26
世話役
8
この国は保守が強い。しかし、個人的には保守とは何かがよくわからなかった。そこで、保守本流といわれる自民党元最大派閥の領袖を通し、保守について理解できないかと考えた。本書に描かれた田中角栄は、考えも行動もとにかく具体的だ。手も加えるが、それは生活環境の改善のように、客観的・物理的なものだ。そこにドグマーティクな理念はあまり感じられない。保守について、本書だけではわからなかった。だが、今ある人や物を守るという点で、保守本流は案外リベラルとも気脈を通じるものがあるのではないか。そのように感じた。2013/08/24
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