内容説明
「東大話法」を駆使する日本の学歴エリートがなぜ機能しないのか、その根源を究明する。「東大話法」のルーツを第二次大戦時に遡り、ポスト団塊世代を呪縛する「成功幻想」を、その生育過程を検証することによって打ち砕く。悩める「学歴エリート」を再生させ、真に機能させる一助となる一冊。
目次
はじめに―なぜ「学歴エリート」は社会的に成功できないのか
第1章 「学歴エリート」とは何か
第2章 「学歴エリート」のルーツをさぐる
第3章 「経済戦争」のなかで生まれた新しい世代
第4章 「学歴エリート」はどのような教育を受けたのか
第5章 「学歴エリート」が引き起こした「バブル崩壊」
おわりに―「学歴エリート」崩壊を超えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
28
東大話法で有名になった著者による学歴エリートの批判本。やたらとカギカッコがあるので読みづらいというのが第一印象。日本社会をリードしてきたのは学歴エリート達なので、全ての責任を彼らに負わせるのはウソではない。ただ、論理だてがやや強引で無理筋なところも多い。安冨さんの著書は2冊目だったが、うーむ、すべてこんな感じなのだろうか‥‥。2018/02/07
こも 旧柏バカ一代
23
安富さんの本は2冊目。ご本人の視点から見た学歴エリート達の立場主義の説明だった。そして、今も蔓延している無責任体質の説明でもあった。まさか戦前の悪癖がそのまま生き続け、継承されていたとは。。そして、当時者が居なくなり劣化しながらも継続して歪になっているのが今か。もうコレはどうしようも無い。2020/04/11
おおにし
16
学歴エリートが作り上げた立場主義社会から脱却するためには、懐疑主義から脱却し自ら信じるものにコミットメント(放下)することだと安冨先生はおっしゃっています。原発御用学者たちが誰一人として原発にコミットメントすることなく、全員傍観者の立場であったことが原発震災を招いた真の原因なのでしょう。では、具体的に立場社会の呪縛から逃れるにはどうすればよいか。安冨先生は「そのうちなんとかなるだろう」のスーダラ節を念仏として唱え懐疑主義を捨てて生きることを進めています。トンデモな結論のようですが私はこれ気に入りました。2014/04/29
Hiroki Nishizumi
6
考えさせられる。戦後(あるいは戦前から続いているものか)の価値観に毒されている自分はどうあるべきか。そして結論的なところとしての無縁者か念仏か、ここは思案しどころだな・・・・2015/08/04
ERNESTO
6
東大話法を知る前に、テンガロンハットの著者に会ってしまい、話が見えない部分もあったが、本書を読了して、エリート指導者の罪について、もつれた紐が解けたように納得した。 クウキを読み、相手の顔色を伺う事に秀でた気のきく事務屋こそが、東大卒の学歴エリートだ。 彼らは、組織全体が大きな既定の目標に従って一丸となって作動する時には、大いに役立つが、今のような新しい時代を創っていかねばならない時期には、役に立たないどころかリスクとなる。 2013/10/18