内容説明
救命医師と葬儀のプロ。共通するのは生と死の交差点に立つということ。その交差点では彼らしか体験し得ない不思議な霊的現象がある。臨死、霊聴、霊夢、交霊、体外離脱、憑依、お迎え現象……、見えない存在をめぐる対話から、死は終わりではなく、命には続きがあることがわかる。人は死なない。死は不孝ではない。そう断言する二人の対話は人を看取り、葬ることの意味に及ぶ。悲嘆にくれる人を癒すグリーフケアについてもあたたかい思索をめぐらせる。多くの生と死を見つめ続ける二人だからこそ、魂の真実を正面から語ることができる。本書は生命とその死について、新しい価値観を提唱し、多くの人を「死の不安」から解放し、愛する人を亡くした人々の「死別の悲しみ」を和らげる1冊でもある。
目次
第1部 死の不思議―スピリチュアル体験の真相(死の壁を越えて 見える世界と見えない世界をめぐって 死者=霊魂は存在するか)<br/>第2部 看取る―人は死とどう向き合ってきたか(日本人の死生観を語る 死を受け入れるために 日本人の死に欠かせないもの)<br/>第3部 葬る―人はいかに送られるのか(葬儀という儀式に込められたもの 人は葬儀をするサルである)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カザリ
35
見えない世界、魂の存在を考えることで、心のやすらぎや幸せを考えるようになって手にとりました。内容は多岐にわたり、悪くいえば雑多ですが、手にとったことが出会いだったような本でした。こういう本は探しているときこそ見つかるので、必要だと思う人にしか届かないものだと思います。紹介されていた【神々の沈黙】という本がすごく気になるのでさっそく購入しました。2018/01/21
さばずし2487398
28
元医師と葬儀業を営む人の対談。 葬儀をする事でヒトは人間になり、また遺体の野晒しでなく丁寧な扱いにより尊厳も守られる。色々響く事があった。一条氏の式活の話も面白いし紹介された市川左團次の辞世の句や海老蔵の言葉も素晴らしい。どの言語も別れの言葉には「またね」を意味するものが付き、古代の人は輪廻転生を知っていたのでは?という話は興味深かった。双方が自覚しけじめを付ける式は『死期』でもあると。私は吉田松陰が命の中の循環を説いた『四季』もそこに入れたいと思う。2021/11/09
きゅうり
15
東大のお医者さんと、葬儀屋の社長さんの対談。常に死と向き合っているお二人ならではの興味深いエピソードの数々。今の科学でわからないものをわからないと認めるのは、ましてやその存在を認めるのは勇気がいります。現代人が科学の発達やライフスタイルの変化と引き換えに失った死の捉え方、宗教、愛国心。考えさせられました。迷惑が肥大化している、人との関係が希薄になっている、都市型の生活は気楽だけど空虚だ。2017/04/18
小豆姫
9
矢作さんと葬祭会社社長さんとの対談。葬送の真の意味や日本人の心性などさまざまな深い話がいっぱい。なぜ死を『ご不幸』と呼ぶのか。どんなに素晴らしい生き方をして幸せだったとしても、最後にはみんな不幸な負け組なんてはずがない。けっして『死は不幸ではない』のだ。2021/03/30
乱読家 護る会支持!
4
ひと昔前ならトンデモ本とかたづけて、読まなかった本ですが、ウンウンとうなづきながら、読ませていただきました。「神様、仏様、人様」「死と詩と志」「葬式の意味合い」などなど、学び、気づき、納得しが多い一冊でございました。色即是空空即是色。2013/10/22