内容説明
「寿」「壽」の字は、のし袋の表書きによく目にします。日本人ならば誰でも、この文字が内包している幸福なニュアンスを理解できているのではないでしょうか。また「彫る」ことは、正月の賀状などの版画をはじめとして、日本人には比較的馴染みのある作業でもあります。本書は、二千数百年前から中国で創作され続けている異なる千の字形を持った「壽」の字を十八年間刻み続け、一万壽に到達した日々の暮らしを綴ります。
目次
第1章 写刻を始める(古壽との出合い 古壽とは ほか)
第2章 写刻三昧(定年を機に 材料の準備 ほか)
第3章 贈る喜び(自家用と謹呈用 退職記念に ほか)
第4章 ついに達成一万壽―老いてなお(一万壽をめざす あと二十二点 ほか)