内容説明
若者はいつから東京を目指さなくなったのか? 田舎と東京の間に出現した地方都市という存在の魅力とは? 若者が現在と未来に感じる満足と不安とは? 『搾取される若者たち』で鮮烈デビューを果たした気鋭の社会学者が甲南大学准教授となり、地方から若者を捉え直した新しい日本論。岡山における「社会調査」(現在篇)、BOOWY、Bz、ミスチル、KICK THE CAN CREWなどのJ-POPから独自分析した「若者と地元の関係の変遷」(歴史篇)、そして「新しい公共性の出現」(未来篇)などで現代日本を切り取る意欲作。
目次
現在篇 地方にこもる若者たち(若者と余暇―「ほどほどパラダイス」としてのショッピングモール 若者と人間関係―希薄化する地域の人間関係 若者と仕事―単身プア/世帯ミドルの若者たち)
歴史篇 Jポップを通して見る若者の変容(地元が若者に愛されるまで)
未来篇 地元を開く新しい公共性(「ポスト地元の時代」のアーティスト 新しい公共性のゆくえ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
99
最近の若者の傾向をイオンモールやJポップで見たりと興味深く読めた。2013/06/17
みっくん
51
『つまらない田舎』『刺激的な都会』の間にある『ほどほど楽しい地方都市』にこもる若者たち。しかし、単に変化を恐れ、地方に引きこもっているわけではないと。むしろ内向きで引きこもり気味なのはそれを嘆くおじさま達!?今後の不安定で不確実、多様性を求められる社会?地域?を担うことができるのは名実共に、地方にこもった若者たちからなる『新しい公共』。そのためには現在のような半径5mの仲間内で村々しているだけではなく、多様性を認めながら異質な他者同士を統合するギャル的マネジメントが重要。地方に住む身としてはそんな時にマ2016/01/30
おさむ
38
若手社会学者の地方論。やや強引な論理展開もあるが、総じてありそーな分析。曰く、ほどほどなパラダイスとしてのショッピングモール、希薄化する地域の人間関係、仕事に対する低い満足度をやりがいや親との同居でカバー、などなど。J-POPの歌詞から若者の変容を分析しているのも興味深い。反発のBOOWY、努力のB’z、関係性のミスチルなど確かに時代とともに若者を惹きつける歌の歌詞は変遷を遂げています。そこに社会の変化を見出す手法は新鮮でした。2018/01/09
アナクマ
37
現在篇(イオン)、歴史篇(Jポップ)、未来篇(ギャル的マネジメント)。著者の提言は「こもりつつ開く」という希望。太字とまとめ頁が便利。◉抵抗→同化→分離→統合(谷口2005)。新しい公共の担い手として、分離から統合へと歩を進めるためには「人の話をちゃんと聞く(そして変化を厭わない)」。◉ここはデータで示されるわけではないが、妥当と感じる。違いは違いとして受け止めてなお包摂する。経験上、一目置ける/置きたい人物はだいたいこうだった。ヨクミキキシワカリ。2019/02/23
Mumiu
33
今大阪北部に住んでいて、イオンは普通にごはんのネタを仕入れに行く場所です。まあ、日常は地方都市(実家が山形、ダンナの住んでいるのが青森なので、感覚はわかるつもりです)で事足ります。わたしの嗜好としましては、薄い本の即売会と、美術展、オケライブと、非ロードショー映画、図書館の蔵書数と館数が地方だと弱いかなあ。遠くない将来青森に住む予定なので、切実な問題ではありますね。世相をJ-POPと絡めた部分はわかりやすいのでしょうけど、わたし的には合わなくて読みとばし気味でした。2013/11/23
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