内容説明
予備校生、高村小夜が一人暮らしのアパートで殺害された。出入りが目撃された中年男性が捜査線上に浮かぶ。心の動きに捜査の主眼を置く下谷署の目黒は、小夜を知るにつれ、援助交際の線を捨てて事件に迫った。小夜が歌に詠んだ故郷、京都府の山村で目黒が掴んだ事実とは。哀しい真相が隠された、切なさ溢れるミステリー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
346
初読み作家さん。読み終わった今になってやっと、タイトルの意味がわかります。プロットとしては目新しくないし、多少後出しジャンケン的なところはありますが、しっとりとしたミステリーに仕上がってます。みんな必死に生きようとしただけ、悪人が出てこないミステリー、というか。にしても「涙腺崩壊」の帯は…盛りすぎですね、双葉社さん?!2016/07/25
どんふぁん
209
2019年5月6日読了。随分積読してた本をやっと読みました。なかなかややこしい設定の物語でしたが、不幸な境遇が生んだ事件でただただ気の毒でした。推理は簡単でしたので、読みやすいミステリーだと思います。2019/05/06
紫 綺
143
単行本にて読了。代理ミュンヒハウゼン症候群〜自分に関心を集めたいために自分の代理となる人を傷つける病気。世の中、色々な病気があるものだ。2015/08/07
小説を最初に書いた人にありがとう
120
初読みの作家さんでした。読了まで時間を要しました。2/3までに3週間、残り1/3を一日。結果、尻上がりに面白くなったということ。綺麗な話になってることで感情移入が出来なかったけど後半は人間味のある話になってきた。深みなあるミステリーとして読み応えもありつつ、小夜さんが健気で可哀想でならない。。2016/06/13
タックン
116
1人の若い女性小夜の死を巡ってその生い立ちを調べる刑事目黒。それは悲しい物語だった。そしてその犯行の由来は女性の狂気だった・・・・・。ただ被害者も加害者も題名(白砂)の散骨に拘ってたのには違和感があり、あまりにもこじつけ過ぎだな。小夜の田舎といい真犯人の生まれた場所といい古い因習がその悲劇を生んだような気がする。小夜と母と実父が一緒になったのが死後っていうのがあまりにも悲しい。2015/03/08