双葉文庫<br> 家族

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双葉文庫
家族

  • 著者名:小杉健治【著】
  • 価格 ¥572(本体¥520)
  • 双葉社(2014/06発売)
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  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575515855

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内容説明

ホームレスの男が盗み目的で住宅に侵入し、認知症の老女を殺害したとして逮捕された。男はこの事実を認め、新裁判員制度での裁判がはじまった。裁判員のひとり谷口みな子は、自身の経験から、この事件を老女の息子による嘱託殺人ではないかと疑っていた……。大いなる家族愛を描く、感動の法廷ミステリー。テレビドラマ化作品、待望の文庫化。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

81
2年ほど前に読んだ『父と子の旅路』の好印象が残っている小杉健治の小説。タイトルから勝手にアットホームな小説?と決めってかかったら、すぐにシビアな内容と分かり気持ちを引き締めた。老女がコソ泥に入った男に殺害される事件発生。いやが上にも緊張が高まります。その内容は、裁判員制度、認知症とそれを介護する家族の苦労、不登校問題…など今でも日本の彼方此方で起こっている問題です。根底に流れる家族の思いを描いた裁判ミステリーは読み応え充分です。2024/03/09

Rin

63
裁判員裁判制度についての問題点や疑問点など、一つの事件を通して伝わってくる。そして裁判での真実とは?なかなか答えの出ない問いかけをされていると感じる。介護の問題、認知症、お金のない老人たちの未来、ホームレス問題。決して他人ごとではない、自分の身にも降りかかる可能性のある事柄がこの裁判を通じてうまく絡められている。裁判員の負担を減らすためになされる措置は本当にそれでいいのか。個人的にちょっとありえないと思う部分もあったけれど、家族の在り方も含めて自分だったらこの裁判にどう向き合うのか考えてしまう一冊でした。2016/08/24

えみ

56
同情が人を救わないように、減刑が人を苦しめるように…何が真実か、どこに本心があるかなんて本人以外の誰にも分からない。裁判員裁判からみえた「家族」の物語。人を殺す大罪に、愛は成立するのだろうか。認知症の老女とその家族、ホームレスとその家族、被害者の家族と加害者の家族。多くの家族が抱えた涙。一人一人が胸に留めた「愛」と「真実」の切ない法廷ミステリ。尊く大切で無条件に愛せる存在、それが家族であると手放しでどれだけの人が言い切る事ができるのだろう。優しさは角度を変えれば残酷にも変わる。残酷な優しさに救済はあるか。2022/02/05

ペーパーピーポー

30
裁判員制度や介護問題を取り上げた作品。 法廷小説に付き物の敏腕弁護士でも登場すれば、快哉な読後感を味わえるんだろうが、コイツはダメだ。 こんな結末でいいのか?! あ~モヤモヤする。2018/08/20

まるぷー

25
裁判員裁判が始まったころに書かれた作品だろうか?強盗殺人事件を背景に裁判員裁判の在りかたについて、問題点が浮き彫りにされている。検察官の提出した公訴事実を証明できるかできないかで真実を明らかにするものではない。結局、公判前整理手続により裁判のお膳立てができており、3日間の裁判員裁判で新たな真実が出てきても考慮されない。「自白こそ気を付けろ」と先輩弁護士に託された狩野川弁護士は公判中に疑問を感じる。裁判員のみな子は、嘱託殺人ではないかと挑む。この話が実際の裁判であるとすると不備と冤罪の可能性を危ぶまれる。2017/03/29

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