ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容

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ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容

  • 著者名:西田亮介【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 東洋経済新報社(2013/05発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492212097

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内容説明

2013年参院選から解禁されることとなった「ネット選挙」。
しかし、そもそもネット選挙とは何なのか? その解禁によって、巷間言われるように「お金がなくても政治家になれる」、「ネットで見た候補者の発信に触発されて、若者が選挙に行くようになる」というのは本当か? 「この情報化社会にインターネットの使用を禁止するなんて、時代遅れもいいところだ!」という主張は正しいのか? テクニカルな側面だけを見ていても、本質には辿り着けない。ネット選挙を丁寧に一歩踏み込んで考察すれば、これらの主張が幻想に過ぎないことは明らかだ。

しかしそれなら、ツイッター議員はなぜツイッター議員であろうとするのか? なぜ全国紙がソーシャルメディア分析に取り組むのか? 解禁による静かな変化が、候補者・有権者・マスメディア・ネットメディアに及ぼす影響はどのようなもので、そこから日本はどう変わっていくのだろうか? インターネットの設計思想を政治に受け入れることで、日本社会が変わる!?

――ツイッターやフェイスブック、私たちが何気なく利用するソーシャルメディア上で、政治家の個人アカウントを目にする機会が増えてきました。ところが、公職選挙法に定められた選挙運動期間に入ると、新しいツイートも政治家個人のブログ更新もぱったりと止まっていたのが、2012年末の衆院選までのこと(一部例外もあり)。それはなぜだったのでしょうか? その答えからわかるのは、公職選挙法が実現しようとした選挙戦環境のありよう、そしてその基となる理念です。
一般市民による選挙関連のツイートやYouTubeへの動画投稿も、場合によっては合法とはいえなかった、という意外な事実に驚かされます。日常の中でほとんど意識することのない法律ですが、公職選挙法はそもそも何を実現しようとしたものだったのか? 改正によって何が可能になり、その影響は日本社会、私たち個人にどう及ぶのか? まさに、「制度だけでなく、これは思想の問題だ!」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

20
インターネット投票はできません(24頁~)。 おかしな話だな。 選挙運動ができて投票ができない? 投票が簡便化すれば投票率が改善するのは このPC、スマホの時代に当然だと思えるけど。 電子投票は現実味を帯びていない。 これは既得権益が投票所にあることの 裏返しである。 衆院選のコーホート(世代)別投票率( 明るい選挙推進協会データ、59頁)は、 20歳代が最低。60代が最も多い。 これは、団塊世代が政治に関心があり、 ゆとり世代が関心が低いと簡単に すませる問題かどうか。  2014/05/26

そり

10
日本がインターネットを選挙に用いるということの意味、影響。そもそもネット選挙がいつから議論されていたのか。日本よりも先んじて選挙にネットを導入したアメリカ、韓国で起きている問題。▼今話題のネット選挙について、この本は多角的に論じられていてかなり良いと思った。ネットの導入で複雑な政局が理解しやすくなれば、投票率も上がるのかなぁ。2013/07/22

おおかみ

10
著者初の単著。いわゆる「ネット選挙」の解禁は、専ら技術的な側面ばかりが論点になり、制度の設計思想(「均質な公平性」から「漸進的改良主義」への価値観の転換)についての議論が疎かにされてきたと指摘する。解禁にあたりしばしば語られてきた、「政治のコストを引き下げる」「投票率が上がる」といった“神話”を解体し、改正法案の成立は終着点ではなくむしろ出発点だと強調。ネット選挙は確かに大いなる可能性に満ちているが、課題も山積なのだと改めて感じた。2013/07/07

ミズグ

8
ネット選挙の解禁に伴っては、価値観の転換を必要とする論が展開される。 また、ネット選挙の可能性が具体的に書かれれいて、日本の民主主義の改善を考える契機となる重要な文献である。 2013/07/07

takizawa

7
2013参院選からネット選挙が解禁され、選挙運動でインターネットを利用できるようになった。本書はネット選挙解禁の孕む問題点について論じたもの。西田氏は今回の法改正を理念なき解禁と評する。目指す社会像について議論されることもなく、技術に過ぎないインターネットを万能であるかのように扱っているからだ。他のメディアが従来通り規制されているのに、なぜインターネットだけ自由に利用できるのか確かによく分からない。ひとまず参院選が終わって、解禁前の幻想とのギャップが見え始めた頃に本書を片手に議論が始まれば良いなと思う。2013/07/15

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