内容説明
源頼朝から戦国大名を経て、徳川幕府の完成まで――。「武士から王へ」の権力の変遷を、貨幣経済の浸透、海の民の活躍、一神教の衝撃、東西の衝突などのテーマに沿って丁寧にたどる画期的な書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
13
易しい内容ではないので、文章がつかみづらく、文字の上を目が滑る状態になってしまった。第4章「土地と貨幣」が面白かった。古典をきちんと読みたい。「吾妻鏡」あたりはもっと若い頃に読んでおくべきだった。2013/10/11
はまゆう
2
歴史嫌いな人にこそ読んでほしい本 様々な視点から中世を解説してくれるが あとがきこそ読むべき 歴史を知る学ぶべきフローについて 自分も当為じゃなく実情視点で見るべきだと同意2024/03/23
茶幸才斎
2
権門体制論に異を唱え、鎌倉・室町期の武家政権を、地域を従えて「自立」し、統治に責任を持って「自律」し、「袖判下文」に見る主従関係を備えた「王権」と定義し、その姿を「当為」(あるべき姿)より「実情」(現にどうか)を重視して解釈すると、こんなに面白い中世国家の特質と変遷が浮かび上がると、朝廷や仏教勢力との関係を交えながら持論を展開している本。筆者には、従来ない解釈で少し変わった歴史像を読者に見せてやろう、との野心的意図がある。学者の態度としていかがなものかと思うが、読んで楽しい内容に仕上がっているのは確かだ。2013/10/18
OTR
1
本郷和人氏の、中世武士論の本(先生のサイン入り)。とにかく、中世武士の概観という感じで、大枠を沿って行く論調。さらに、二項対立、年代を外す、といった、大丈夫かと思うこともやっていたが、実際、基本書と変わらない。通史というよりは、歴史理論の基本書かな、と。最後の歴史に関する考察は参考になる。2014/04/21
kawasaki
1
「中世」という時代の特質と、その時代の「武士」を論じる大きな議論。中世の始まりと終わりへ時間を自在に移動し、ローカルから東アジア規模までフォーカスを切り替える。「歴史学者の書いた歴史の本」へのある種のイメージを打ち壊す刺激的な本であるが、その背景に歴史学・歴史教育のあり方への思いがあることがあとがきに記されている。2013/06/21
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