天明の密偵 - 小説・菅江真澄

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天明の密偵 - 小説・菅江真澄

  • 著者名:中津文彦
  • 価格 ¥750(本体¥682)
  • PHP研究所(2013/07発売)
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  • ISBN:9784569679914
  • NDC分類:913.6

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内容説明

日本民俗学の先駆者として知られ、各地の風俗・民俗などを日記体で詳細に書き記し、200冊以上の書物を残した菅江真澄。三河・吉田宿の御師の次男に生まれ、国学者で藩の御用商人でもあった植田義方のもとで勉学に勤しんだ彼は、岡崎へ出て和歌を、名古屋では絵画と本草学を身につけた後、30歳で古里を後にして長い旅に出る。当時は、天明の大飢饉や浅間山の大噴火などの天変地異、賄賂にまみれ、幕府を意のままに動かす老中・田沼意次と松平定信ら譜代衆の対立、松前藩問題と北方ロシアの脅威など、幕藩体制が大きく揺らいだ激動の時代だった。そんな中、彼は何を求めて、信濃、出羽、陸奥、そして蝦夷地へと旅をしたのか――。彼を蝦夷地へと駆り立てたものは何だったのか――。本書は、立身出世を願うも叶わず、生涯を旅に生きざるをえなかった菅江真澄の虚実入り交じった人生をミステリーの手法で掘り起こしながら、彼の秘密に迫った傑作歴史小説である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ソババッケ

2
江戸後期の日本民族学者として知られる菅江真澄の生涯を描いた物語。この小説の面白いのは、真澄が松前へ滞在した時期が、天明8年(1788年)からの4年間で、田沼失脚後の松平定信の蝦夷地政策への転換点に重なることから、真澄と旧藩主であり、現老中の松平信明とを結び付けて描いたことにある。それにしても意次と定信の確執は凄まじいものがある。定信は政変後に、田沼時代の蝦夷地探索方の幕臣を徹底的に弾圧し、更には松前藩を転封に追い込むべく画策する。この時代の幕府の蝦夷地政策を知る上でも興味深い一冊。★3.52013/08/24

BATTARIA

1
田沼意次と松平定信の権力闘争や、蝦夷地をめぐる幕府・松前藩・アイヌ・ロシアの相克等にひかれて読んでみた。 主人公の菅江真澄なる民俗学者については全く知らなかったが、二つの物語が噛み合わぬまま同時進行した感じ。 身分の低さゆえの境遇に納得できず、立身出世を目指すも叶わず、最後はそうした執着から解き放たれて…… という、あまりにも予定調和みたいな終わり方が残念。 林子平や最上徳内、さらには徳川家治らの人物描写は面白かったけど。2015/05/28

yamakujira

1
菅江真澄の謎多き前半生を題材にした小説。田沼意次と松平定信の対立を背景に、真澄の旅を密偵としての探索に設定したのは、フィクションを史実に絡めてえがく時代小説の醍醐味だな。浅間山の噴火に天明の大飢饉が続く当時の世相も興味深い。ただ、どうしても地味な展開になっちゃうのはしょうがないね。改名の理由とか常頭巾の謎とか、あえてあっさりと流しているのがいい。「遊覧記」は読んでみたいんだけれど、ずっと手が出せないままだなぁ。 (★★★☆☆)2014/03/07

だいゆー

1
日本民俗学の先駆者といわれる菅江真澄。夢を追い続け漂白の生涯の謎に迫る?! 蝦夷地に渡る道筋に父の故郷(秋田)の地名が出てきてそれも興味深い(^^;2013/11/30

ちゃいタイム

0
菅江真澄 民俗学の先駆者として後世有名になった人物であるが、実は田沼意次の時代、密命を帯びて各地を転々したという仕立て いまひとつ密命の意図が分かりづらかった 2016/04/23

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