内容説明
行政・立法・司法の三権を時として凌駕する力を擁する「報道」。中でも最大の影響力を誇るテレビ業界で、権力をめぐる権謀術数が渦を巻く。社長交代の軋轢に巻き込まれた若き経営企画部員は、局内のマドンナたる女性広報局長と連係して動き出すが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
川越読書旅団
49
さすがの高杉作品、ストレス、中だるみ感なく読了。大手が抱える人事の確執、株主の権限、仕事への大儀と現実、サラリーマン・ウーマンである限り避けては通れない立場の壁と権限の壁等々が実に明瞭に描かれてあり良い。ただ、タイトルに謳われる第四権力の罪の具体例があまりにも乏しかった事が残念。2015/12/08
123
18
テレビ朝日をモデルにした高杉良の新作。親会社である朝日新聞社出身の社長が続く中、テレビ朝日のプロパー社長が誕生する前後の裏事情を、主人公のミドル社員藤井と、その恋人である元アナウンサーの広報局長堤の視点から描く。特に主人公である藤井が話の中心になって活躍、暗躍する訳でもなく、ダーティなイメージが定着している瀬島(後の社長)と、クリーンな木戸(後の副社長)のどちらが初のプロパー社長に相応しいのかを基本路線に物語が淡々と進む。そのため、あまり感情移入ができず、気持ちが盛り上らなかったというのが正直な感想。2013/06/05
てん・てん
13
社内のドタバタ話に終始しててワタシ的にはイマイチ。 まさにコップの中の椅子取りゲーム。終り方も中途半端。 ところで杏子って広報局長の仕事してるの?。 藤井とデートしてるだけじゃん。ゼータクなお食事シーンが多くってモ~満腹!。2013/06/23
Yunemo
13
うーんと唸ってしまって読了。高杉作品としてどうなんでしょう。今までの作品なら、もっともっと突っ込んだ表現になっていたはず。どうも表層部分だけになっている気がしてなりません。「第四権力」という表題を使うなら、今までなら、さらに深部にまで波及したはず。そういう思いが強くなってならない。けっして意図的にやったとは思えませんが。リアリティさを抑えたのには、何かあるのかな、との深読みまでしてしまいます。残念至極!2013/06/02
02235
11
読みやすいだけのくだらない小説。テレビ番組の低劣さを批判する以上に、この小説は低劣。中年の男女が、プロパートップの陰口を延々と言っているだけの印象。瀬島氏のダーティーさや暴走が全く伝わってこない。他の方のレビューにもあるように、誰がトップになるのかという「コップの中の嵐」ばかりで、「第四権力」というタイトルは一体どこに行ってしまったのか。しかも唐突に終わる。途中で社会部長になる辻本が主人公の方が、面白かったかも。2014/01/12