新潮新書<br> 日本経済を壊す 会計の呪縛

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新潮新書
日本経済を壊す 会計の呪縛

  • 著者名:大畑伊知郎【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 新潮社(2013/11発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106105210

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内容説明

デフレ不況の「真犯人」は、政府でも日本銀行でも少子高齢化でもない。金融ビッグバン後の「グローバル」な会計基準こそが元凶なのである。リストラの加速、大手電機メーカーの巨額赤字、相次ぐ百貨店の閉店……すべての背景には会計の「呪縛」があった。時価会計、減損会計、税効果会計等の性質と問題点を平易に解説しながら、日本的経営が破壊されるプロセスをロジカルに解き明かすスリリングな書。

目次

第1章 会計基準の影響力はきわめて大きい(なぜ今、会計基準なのか 会計とは何か ほか)
第2章 会計ビッグバンが不況を招いた(時価会計の導入 寿司ネタの「時価」 ほか)
第3章 日本的経営はなぜ消えていったのか(会社は誰のものか 「会社は株主のもの」への違和感 ほか)
第4章 そしてリストラが加速した(成長性重視から収益性重視の経営へ 収益性重視を促す会計基準 ほか)
第5章 それではどうすればいいか(景気回復のための金融政策 まず必要な会計基準の見直し ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ito

36
金融ビッグバン後のグローバルな会計基準がデフレの原因とする説が新鮮だった。時価会計、減損会計、税効果会計等が会計基準に導入されることにより、日本的経営にどのような影響を与えたか平易に解説されている。これらの会計基準により、それまでの成長性重視の経営から、短期的な収益性重視の経営を企業が志向せざるを得ないことがデフレを引き起こしたとされる。会計基準の変更によって成長性重視の経営と収益性重視の経営がトレードオフの関係となってしまうのが残念だ。グローバルな会計基準でも成長性を重視した経営を目指せないだろうか。2013/09/06

hk

19
「失われた20年とりわけ1998年以降のデフレ不況は、会計制度の大改変に少なからぬ要因がある」これが本書の趣旨だ。時価会計によって持ち合い株式制度が自然解体を余儀なくされ、減損会計によって一事業単位ごとに利ザヤをあげることを強いられる。あまつさえ急増した投機的株主の突き上げにより、安定や成長よりも短期的な利益を焦眉の急とする経営が是とされた。かくして会計ビッグバンを嚆矢として日本型経営は暗礁に乗り上げたのだ。こういった経緯を会計の門外漢でもわかるようにかみ砕いて説明してくれている。これはお勧めの一冊だ。2017/11/22

calaf

10
時価会計、減損会計、税効果会計等、会計基準の変更によって企業は短期利益の獲得を追求せざるを得なくなり、長期的な展望を考慮しにくくなったため景気は停滞し続けている...らしい...まぁ、一因とは思いますが、ここまで言い切れるのかどうかは...2013/07/01

K.T

3
現在の日本の不況は会計基準にあるという一般にはあまり言われていない説を、実例を挙げながら丁寧に説明している。どれもなるほど、言われてみれば確かにその通りだと思わせる内容。ビックバン以後に会計の門に入った身としては当たり前と感じていた事が、指摘されるとそうか、と立ち止まれせてくれるポイント多数あり。これは間違い無く良著である。ただ、いみじくも著者自身が指摘している通りこれら提言は採用されないんだろうなぁ。そうだとしても、このような意識を持ちながら仕事をする事は大変重要。いい勉強させてもらいました。★★★★★2016/04/18

jack

3
良書。「時価会計不況 (田中弘 著) を補完した。」 ☆5.02013/12/26

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