内容説明
崩れてゆく、家族の絆を描いた2つの受賞作を収録! 「地蔵の背」――妻と息子を連れて里帰りをしていた僕は、地域の地蔵盆に出くわした。子どもの頃に必ずお参りしていた地蔵を、息子と一緒に拝んだ。かつて、この地蔵の祠の中には僕の妹がいたのだ。郷愁を誘う、しみじみと怖い一篇。/「埃家」――久しぶりに実家に電話をかけると、お袋の様子がどこかおかしい。親父も普通ではない。何か理解できないことが起こっているのだろうか。気になった俺が、実家で見たモノとは。家族が何者かに侵食されてゆく恐怖 。第7回『幽』怪談文学賞短編部門「
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つらら@道東民
23
2作者収録という珍しい形態。私は民話のような『地蔵の背』の織江作品が好き。いつの時代ともとれるような、切ない感じが文体から漂ってくる感じが良かった。『埃家』の剣先作品はSFっぽくも感じました。ただ何かに浸食されていくような話は、波長が合わないので怖さにピンと来ず。文章はとても書き慣れた方のようなので、次作に期待です。2014/03/17
はる
10
図書館本。作品名が二つに作者名がふたつ、不思議な作りの本だなぁと思ったら怪談だった。あるある、地蔵盆の時にだけ華やかになる祠。あの細かな格子からはお地蔵様のお顔は見たことがない。普段はどないしてはるのやろ。あるある、埃を溜めてしまうこと。しまった!気が付いた時には、うずくまったヒトの様な形のものになりかけている…。もしかして。(剣先あおりお名前を見て烏賊のお刺身を買いに行ったのは内緒だ)2016/10/06
オシャレ泥棒
4
織江邑「地蔵の背」「雨に狂えば」「思母の海」、剣先あおり「埃家」「占幽」「浸蝕」がそれぞれ連作となっている。織江さんの方は「思母の海」のラストで連作にしているが、多少の無理矢理な感じはある。似ている作風という訳ではないが、作品の雰囲気が喧嘩しているなどの違和感はない。どちらも不穏さが良い。連作「埃家」のような、『盗まれた街』に始まる(?)成り代わり物・侵略物は好きな設定。コンビニが最後の砦かと思ったが何だか…。味がある題字も良い。それぞれの次作が出たら読みたい。2016/12/06
シナモン
4
『幽』怪談文学賞短編部門の受賞者2名の作品をそれぞれ3編収録した怪談短編集。個人的には一線を越える面白さ・怖さは味わえず、小粒の怖さをつまみ食いする感じでした。一番面白かったのは「地蔵の背」です。2014/05/25
クラスタン
4
1冊の本に二人の作家さんの作品が載っていると、比較して読んでしまう。で、今回は埃家のほうが断然面白かったです。それほど怖さは感じないのですが、なんとなく背筋が寒くなる怖さがありました。それに比べ地蔵の背は、ありきたりな話で先が読める展開と怖さが全く感じられなかった。これが準大賞ですか?という作品ですね。2013/07/14
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