内容説明
人気推理作家の夫・浪江譲二から、愛人が妊娠したことを喜びとともに知らされた妻・多鶴子。憎しみは殺意へと変わり、夫の殺害を決意する。完全犯罪を企てたが……(「小さな孔」)。傑作ミステリー6編と、文庫未収録の「ライバル」「夜の演出」の2編を収録。犯人の絶妙な心理描写と見事な犯罪計画、そして息詰まる犯行シーンが魅力の鮎川哲也氏、珠玉の傑作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
147
これは犯人がすべてわかっている犯人側から書かれた作品です。8つの短編が収められていてどちらかというとその犯罪の原因がよく書かれている作品です。犯人のちょっとしたミスが完璧な犯罪というものでなくしているということです。お金の価値やそのほか風俗など結構時代性を感じます。2017/01/02
coco夏ko10角
26
8つの作品収録の短編集。到叙ものばかりで面白い。『小さな孔』主人公の女性の気概や謎の疾走感も感じてなんかめっちゃ好きだ。あと『憎い風』『自負のアリバイ』もよかった。2020/12/03
犬こ
21
あらかじめアリバイを作っておいて完全な犯罪を施行したつもりが…、ラストにその落ち度が解き明かされてしまうというパターンの短編推理小説。完全犯罪は、なかなか難しい。2016/07/29
乱歩太郎
6
タイトルに惹かれて購入。犯人目線で話が進んでいく。犯人が完全犯罪を企てるが、意外な形で殺人がバレてしまう。と言ったような感じの短編集。あっさり読めて楽しめました。2015/05/28
二葉
5
今の時代では古くさいだろうけど、やっぱり鮎川作品は読んでで、楽しめる 2023/01/21