ハヤカワ文庫JA<br> Gene Mapper -full build-

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ハヤカワ文庫JA
Gene Mapper -full build-

  • 著者名:藤井太洋【著】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 早川書房(2013/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150311070

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内容説明

自己出版され話題をさらった電子書籍が、分量1.8倍以上、文体・構成も一新した完全改稿版として登場。
バーチャルリアリティ技術と遺伝子組換作物が浸透した近未来、謎の塩基配列を持つ稲に秘められた陰謀に迫る、本格SFサスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

170
面白い。常に先が気になるよう工夫があるし現代テクノロジーの問題点も絡めている。そしてテクノロジーを単純に否定しない姿勢がいい。合成DNAにデバッグビルドなどの概念が登場するのも面白い。遺伝子工学に現実のソフト開発の現場の様子を当てはめた感じが印象的だった。でも本書、オススメには躊躇する。小説としての体裁は上手とは言い難い。でもabsintheはとても気に入った。absintheが読んだのはオリジナルにかなりの改訂がされたものらしい。2016/12/02

nobby

121
うーむ、この拡張現実とかゲノムなど専門的に描かれた近未来な世界観は自分には難しかった…〈蒸留作物〉なる遺伝子操作された稲が〈汚染稲〉と化している危機。その解明に取り組む面々の現実の姿とアバターが入り混じる様子を楽しむべき中盤までは、正直どこまでついていけたか自信がない…それでも要因に行きついてから解決まで一気に読ませる白熱の後半にはただ圧倒される!その簡潔に楽しませる展開は並大抵のスパイアクションを上回る面白さ。あくまで個人的に求めるSFの舞台は、想像のつかない遥か遠い未来や宇宙であると確認した次第(笑)2019/11/01

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

115
藤井太洋さんのデビュー作。遺伝子を完全に設計された作物が突如異変を起こした。遺伝子設計者(Gene Mapper)である林田の元にきた原因調査の依頼。何が起こっているのか、なかなか明らかにならないところはややフラストレーションがあるのだが、自費出版から火が付いただけあって面白い。近未来の話ではあるが、これに近いことはほぼ可能な世界になっている。遺伝子操作をされ、「人間の役に立つ」ように改良された動植物。完全に管理下に置いたつもりでも、いつ人の手を離れて暴走するか。絶対に起こらないとは言い切れない。★★★★2016/11/19

紫 綺

101
個人出版された電子書籍が好評で、書き下ろし書籍化された異色作。拡張現実、遺伝子デザイナー、蒸留作物…見慣れない言葉に戸惑いながらも、加速度的に頁を繰る手が速くなる。マトリックスとジェノサイドを足してマイルドにした感じ。ITにそこそこ通じる、SFの好きな人にオススメ♪2014/05/31

おかむー

78
『オービタル・クラウド』が好感触だった藤井太洋が電子書籍で個人出版したデビュー作の補稿改訂版。どうやら『オービタル・クラウド』はまぐれ当たりじゃなかったモヨウですね。『たいへんよくできました』。自分が遺伝子デザインをした作物が異常を起こしたと知らされた林田はエージェントの黒川とともにベトナムへ飛ぶ。“仮想空間”でなく現実と重なって運用される“拡張現実”の感覚が想像しづらいところはあるけれど、主題となる遺伝子デザインを最新技術に関わる技術者の倫理と挑戦に絡めたラストがたいへん秀逸。2015/09/19

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