内容説明
英国コンサルティング会社Synecticsの「世界の100人の生きている天才」の26位(日本人最高位)に選出されたロボット工学者、石黒浩。技術、科学、哲学など、思考の領域を広げながら、約2年間にわたって発信してきたツイートをもとに考察を深め、いま本当に伝えたいメッセージを丁寧に綴った、渾身のエッセイ。
目次
第1章 私はだれ?
第2章 生きるということ
第3章 人間らしさ
第4章 つながりと社会
第5章 信じること
第6章 自由
第7章 挑戦
第8章 進化・孤独・夢
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hikarunoir
5
著者が勧められ始めたtwitterでの発言を元に広がった考察を深めたエッセイ?テーマは多岐に渡り、身につまされる挑発が次々仕掛けられる。2018/01/26
ma-san
4
エッセイということで読みやすい。哲学本としても読めるが、そう読むとそこまで目新しさは感じない。哲学の入門書としては良いと思う。本書は石黒先生のファンブック的な本で、あくまでもサブ。ではメインは何かというと、石黒先生自身と作品のアンドロイド。あの作品を見たときの何とも言えない感情や呼び起される感情こそがメイン。これは先生自身もおそらく言語化できてないと思う。言語化するとチープになってしまうのがわかっていながら書かざるを得ない。それは作品に狂気をはらんでいるから。すごく真摯に世間とかかわっていると思う。2015/09/02
onaka
3
ロボット研究者石黒先生による、人間や社会に関する哲学的な思索が垣間見られるエッセイ集。人間と同じように考え行動するロボットが実現されたとすると、それは人間にとってどういった存在になるのか?ロボットには絶対真似できない人間ならではの機能があるとすると、それは何?みたいなことをつらつら考えながら、ちょっと斜め上方向から読んでみた。疑問に対する答えはないけど、とりあえず石黒先生のツィートはフォローしてみたよ。2014/08/15
アーサー2号
2
阪大大学院基礎工学研究科でアンドロイドの研究をされている石黒浩先生が日々の"考え"を綴ったエッセイ的なものである。読み始めはこの人小難しい事言うな〜と思いつつ読み始めるも、次第に共感していく。アンドロイドを使って人間とは何かを追求しようとしているのだろうか? 読んでいてP.K.ディックっぽい感覚もある。ユーモアもちりばめてある。石黒先生の考え方、ものの見方が好きだ。2013/07/31
buchi
1
人間にそっくりなアンドロイドを作るためには人間そのものを深く知らないといけなくなる。しかし人間の人間たる所以である心とは何か?魂とは何か?実在が無いからよく分からない。よってどんどん哲学的になる。人間とは究極的にどうなっていくのか?NHK「最後の講義」という番組でも石黒先生の講義の回で「人間はロボットになる」とおっしゃっている。僕は小さい頃母親に「将来ロボットになりたい」といって母親を泣かしたそうだが、今なら上手く説明できる。「体を機械化することで自分の能力を拡張したい」のだ!これは進化なのですよ!母上!2018/06/26