内容説明
過去を捨て、警備員として暮らす桐生。迷い猫が縁で、飼い主の少女・翔子と出会う。親しみ以上の気持ちを抱き始めた頃、彼女がボーガンで襲撃される。桐生は彼女を庇護し、ある殺人事件に関わっていることを突き止めるが……。秘密を抱えた少女との絆を守る為、男は封印した過去を掘り出し、圧倒的な巨悪に向かい合う。息づまる攻防の中に一筋の純愛を貫く男に、未来はほほえむか。傑作長編ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@猫と共に生きる
68
プロットが定型だと分かっていても結構面白かった。猫が出て来るのでこの本を選んだ。18歳の少女と45歳の訳アリの男性の同居で純愛は設定に無理&先生の妄想炸裂気味。必ず暴力団が出て来るのでそれもお決まりなのかな?と思いつつどんどん読み進めて行った。棟居刑事がとっても気になるので棟居シリーズを読みたいと思った。牛尾さん(モーさん)も登場、相変わらず冴えています。2022/09/03
ヨーコ・オクダ
9
これは何というか…欲張りな小説やね。ミステリーなんやけど、ハードボイルドな要素もあり、恋愛小説の要素もあり。事件の真相がどうなるかよりも、桐生という人物そのもの、桐生の心情に興味が惹かれる感じで、ストーリーの最後まで辿り着いた。ちょっと、桐生が完全無欠過ぎるかな?とも思ったけど、守るべき翔子のガラスのアイデンティティーとのバランスを考えれば、これぐらいがエエんかも…。森村センセの小説でお馴染みの、牛尾刑事と棟居刑事の出番は、今回かなり控え目なり。2013/08/21
こーこ
8
久しぶりのハードボイルドなので、若干入りにくかった。ただ、ハードボイルド独特のスピード感と展開が懐かしい気持ちにさせられた。設定がちょっと古い。2015/01/24
すこにゃん
8
迷い猫をきっかけに美少女が中年男のアパートに転がり込むって男性の身勝手な妄想でしょ。過去を隠し愛に怯えてひっそりと生きる謎の男。復讐と懲悪に燃えあがった後の男がもう凄すぎる。突っ込みどころ満載のミステリー&サスペンスです。2013/05/25
夜酔雨
1
森村誠一はこれが初。思ったよりサクサク読める感じなのですが、まぁ、完全無欠のハッピーエンドにはなりはしませんよねと。盛り上がり方は最高なんですが、個人的に主要人物、ことヒロインの強姦とかそういう展開は好きでないので、どこかもやもやした感じの読了感。2013/10/10