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内容説明
アラブの春を皮切りに、中東情勢の先行きがますます混迷の度合いを深める一方、尖閣諸島、竹島、北朝鮮の核開発をめぐって、東アジアでもかつてない軍事的緊張が高まっている。戦争はあってはならないという考えに反対する人は少ない。しかし、信頼できない外国政府の行動を押さえ込むために軍隊は必要だと考える人も多い。平和を壊すのも平和を保つのも軍隊であるという国際政治の逆説のなかで、私たちはいかにして判断し、行動すべきなのか? 戦争の条件を考え抜くことで、逆説的に平和の条件に至る道を模索した、もっともリアルで読みやすい国際政治学の入門書。【目次】はじめに/第一章 戦争が必要なとき/第二章 覇権国と国際関係/第三章 デモクラシーの国際政治/第四章 大国の凋落・小国の台頭/第五章 領土と国際政治/第六章 過去が現在を拘束する/第七章 ナショナリズムは危険思想か/第八章 平和の条件/結び/ブックガイド
目次
はじめに
第一章 戦争が必要なとき
第二章 覇権国と国際関係
第三章 デモクラシーの国際政治
第四章 大国の凋落・小国の台頭
第五章 領土と国際政治
第六章 過去が現在を拘束する
第七章 ナショナリズムは危険思想か
第八章 平和の条件
結び
ブックガイド
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみあき
63
国際政治学の入門書。刊行は13年も前だが、現在にも通用する至極穏当な内容の本。竹島や尖閣などの領有権問題について「日本固有の領土」という国民国家の論理を持ち出すと、例えば中国は明代の交易圏の回復を旗印に対抗してくるので(勿論それはデタラメなのだが)、延々決着がつかない。むしろ棚上げしてしまうのが国際社会の知恵か。ただ「歴史的には新しい意識であっても悠久の歴史を主張し……固く信じ込む」のがナショナリストだと著者は言うが、あえて「歴史は物語だ」と居直ってみせるのが、90年代以降のナショナリズムではなかったか?2026/04/09
ゆきこ
16
「国際政治学の入門書」ということで、初めて挑戦する分野の本であり、大変難しかったです。それでも何とか読み終えられたのは、読者が自分の頭で考えながら読み進められる構成になっているからだと思います。考えてみても明確な正解がない問題ばかりで、藤原先生のおっしゃるとおり「焦燥感」を存分に感じました。いつ身近で戦争が起きるかわからない昨今ですので、冷静に現状を考えられるよう、多くの方に読んでもらいたい一冊です。2017/05/30
hk
12
国際政治においては主張が真っ向から衝突しがちだ。この理由を本書ではつぎのような例えで説明している。白い鳥だけを意図的に渉猟して「鳥はみんな白いのだ」と豪語する勢力がいる一方で、黒い鳥だけをピックアップして「鳥はくまなく黒いのだ」と強弁する勢力がいる。もちろん白い鳥も黒い鳥もいるのだが、白黒をつけたい人々は都合の悪いデータを隠蔽してしまう訳だ。このように結論ありきで恣意的に情報を取捨選択する姿勢が問題を逼迫させてしまう。本書は白い鳥もいれば黒い鳥もいるという現実を踏まえ、国際政治を眺めるための手ほどき書だ。2016/11/23
tolucky1962
12
著者は東大藤原教授(政治学)。なぜ戦争になるか、各事例があまりに複雑ななか、授業形式のように固有名詞をはずして抽象化した問とすることで論理的に議論を進めようとする。といっても具体的な問題を想起できる。ただし世界政治が出せないのと同様に各問に対する答えはない。各章読者はジレンマの中の放置されていく。権力移行、日中関係、民族自決など。これが原理的に正しいとして選択してもそれによりさらに発生する問題も。立場が違う意見がまじわらない現代へ一石を投じている。リアリズムとリベラリズムとあるなか正解がないことは分かる。2016/06/13
さとうしん
9
国際関係通史とか理論とか、面倒くさい体系的な解説をすっ飛ばしてエッセンスだけを詰め込んだ国際政治学の入門書。現実の国際政治や国際紛争について、国際政治学ではこういう具合に考えるという視座を提供する。最後まで読んで何か物足りなさを感じたあたりで、次の勉強へとつながるブックガイドが用意されているのも心憎い。2016/10/29




