嫁の遺言

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嫁の遺言

  • 著者名:加藤元【著】
  • 価格 ¥712(本体¥648)
  • 講談社(2015/03発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062775229

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内容説明

満員電車でふと自分の手に触れた冷たい手。間違いなく、それは、38歳で死んだ嫁の手だった。生前からちょっと変わったところのある女だった嫁が、どうしても伝えたかったこととは――。不器用だけれどあたたかい人情に溢れ、人間がいっそう愛おしく思えてくる全7篇を収録。(講談社文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やも

90
あんなに大切だった毎日を過ごしていたのに、時は流れていつの間にか新しい日常が始まっている。けど、君のことを忘れたわけじゃない、忘れるわけないじゃないか。そんなことを感じる短編7話。若くして逝ってしまった嫁、少しの意地で別れてしまったはじめての恋人、結婚後に出会った新しい人生を一緒に歩みたかった人、自分似の男とデキ婚した娘、野垂れ死に寸前の姉のヒモ、親権を取れなかった娘、逮捕された幼馴染み…。語り口調で進んでいくのに、1番大切な想いが口に出せない。人を想う不器用さと尊さが愛おしい、大人のおとぎ話。★4.52022/08/11

おくちゃん🌸柳緑花紅

77
初の加藤元さん作品。心の奥がしみじみポウッと温かくなる短編が七つ。私のすぐそばにいそうな極々普通の人達。もう本当にバカなんだから!!もっと器用に!!なんて思いながらも、そのひとつひとつがなんともホロリとさせられる。「嫁の遺言」「いちばんめ」が特に好き。他の作品もどんどん読みたくなった。2014/11/22

あつひめ

74
加藤元さんの作品二冊目。この狭い日本の片隅で幸せと不幸せをギッタンバッコンしながら必死に生きている感が溢れていて、胸が熱くなったことも。世の中いい人ばかりではない。悪人ではなく、いい人ではない…って人もいる。でも、そんな人もどこかでいい行いをすることもある。人って、関わり方で印象も変わってくる。それが人間臭くて身近に感じられる。妖精のように生きることは私にはできないから、余計にこんな人たちの情がしみてくるのかもしれない。生きるって綺麗事だけじゃできないことだと思うから。2016/07/16

はつばあば

72
平成の作品であるのに、昭和の下町の雰囲気が溢れていて、今でもこんな人達がいるのだろうかと驚きの短編集。親子の情、男女の仲、地域への鬱屈とした気持ち。・・そういえば我が家の娘達も同じような気持ちがあるのかもしれない。一つ一つの作品が暖かい。貧しい故の人の温かさが心に響くのはレトロっぽいからノスタルジーを感じたのか。いやいやハードボイルド小説の合間に読むには最高の作品だった2017/08/07

papako

69
短編集。うーんほとんど流し読みになっちゃったなぁ。そっか、私は独白調のお話ってあんまり好きじゃないらしい。そんな中で『あの人への年賀状』は好きでした。おばさんの恋、切ない。作者さんは神奈川出身なのに、方言がすごく自然ですね。『いちばんめ』やり直しさせてあげたくなる。自分にはそんな記憶ないなぁ。残念。2020/05/09

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